非活動性感染
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 01:57 UTC 版)
「ヒトヘルペスウイルス6」の記事における「非活動性感染」の解説
新たに感染を受けた細胞の全てでローリングサークル型複製が始まるわけではない。全てのベータヘルペスウイルスは潜伏感染を行うが、HHV-6の場合は環状のエピソームとして潜伏するのではなく、ヒト染色体のサブテロメア領域に組み込まれることで潜伏すると考えられている。これはHHV-6ゲノムの両端の反復配列にテロメア配列が含まれていることで可能になっている。 ヒトの染色体のうち、9、17、18、19、22番に組み込まれることが多く、その他10番や11番にも認められる。おおよそ7000万人がこのように染色体に組み込まれたHHV-6を保持していると推定されている。 この非活動性の潜伏期に特異的に発現する遺伝子がいくつか知られている。これらはゲノムを維持し宿主細胞が破壊されることを防ぐことに関わっている。たとえばU94タンパク質はアポトーシス関連遺伝子を抑制し、テロメアへの組み込みを補助すると考えられている。こうしてテロメアに格納されたウイルスは、断続的に再活性化を行う。
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