電磁場テンソル
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電磁場テンソル(でんじばテンソル)とは、電磁場を相対性理論に基づいた4次元時空の形式で記述した2階の反対称テンソル場である。以後、相対論と言えば、特に断りがなければ特殊相対性理論を指す。
注釈
出典
- ^ a b ランダウ, リフシッツ pp.67-69, §23.電磁場テンソル
- ^ ジャクソン 819頁
- ^ ジャクソン 820頁
- ^ a b ランダウ, リフシッツ pp.74-75, §26.マクスウェル方程式の第1の組
- ^ a b ランダウ, リフシッツ pp.285-287, §90.
- 1 電磁場テンソルとは
- 2 電磁場テンソルの概要
- 3 ローレンツ力
- 4 一般相対論
- 5 脚注
電磁テンソル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:49 UTC 版)
真空の誘電率、透磁率をそれぞれ ε0, μ0 とすると、マクスウェル方程式により導かれる電磁波の速度 1 / √μ0ε0 が真空中の光速度と一致する事が実験・観測により確かめられたので、光の正体は電磁波であると考えられるようになった。この事実から、 c = 1 μ 0 ε 0 {\displaystyle c={\frac {1}{\sqrt {\mu _{0}\varepsilon _{0}}}}} である。 さらに電場 E = (Ex, Ey, Ez) と磁束密度 B = (Bx, By, Bz) を用いて電磁テンソルを ( F α β ) α β := ( 0 − E x / c − E y / c − E z / c E x / c 0 − B z B y E y / c B z 0 − B x E z / c − B y B x 0 ) {\displaystyle (F^{\alpha \beta })_{\alpha \beta }:={\begin{pmatrix}0&-E_{x}/c&-E_{y}/c&-E_{z}/c\\E_{x}/c&0&-B_{z}&B_{y}\\E_{y}/c&B_{z}&0&-B_{x}\\E_{z}/c&-B_{y}&B_{x}&0\end{pmatrix}}} により定義する。 電磁場を別の慣性系から見た場合、電場と磁束密度がそれぞれ E′ = (E′x, E′y, E′z) と B′ = (B′x, B′y, B′z) であったとし、これらから作った電磁テンソルを F′αβ とする。 F′αβ と Fαβ がローレンツ・ブースト(L4)式で移りあう為の必要十分条件は、 ( E x ′ , B x ′ ) = ( E x , B x ) , ( E y ′ , B y ′ ) = γ ( E y − | v | B z , B y + | v | E z / c 2 ) , ( E z ′ , B z ′ ) = γ ( E z + | v | B y , B z − | v | E y / c 2 ) {\displaystyle {\begin{aligned}(E'_{x},B'_{x})&=(E_{x},B_{x}),\\(E'_{y},B'_{y})&=\gamma (E_{y}-|{\boldsymbol {v}}|B_{z},B_{y}+|{\boldsymbol {v}}|E_{z}/c^{2}),\\(E'_{z},B'_{z})&=\gamma (E_{z}+|{\boldsymbol {v}}|B_{y},B_{z}-|{\boldsymbol {v}}|E_{y}/c^{2})\end{aligned}}} が成立する事である事を簡単な計算で確認できる。ここで v は2つの慣性系の間の相対速度で、γ = 1 / √1 − (|v|/c)2 はローレンツ因子である。 非相対論的極限 v / c ≈ 0 では γ ≈ 1 なので、上述の条件式は、古典電磁気学で知られている慣性系間の変換公式 E ′ = E + v × B , B ′ = B − v × E / c 2 {\displaystyle {\begin{array}{l}{\boldsymbol {E}}'={\boldsymbol {E}}+{\boldsymbol {v}}\times {\boldsymbol {B}},\\{\boldsymbol {B}}'={\boldsymbol {B}}-{\boldsymbol {v}}\times {\boldsymbol {E}}/c^{2}\end{array}}} (E1) に一致する。 よって電磁テンソルはローレンツ変換に対して共変であると結論づけられる。
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