過感受性精神病
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過感受性精神病(かかんじゅせいせいしんびょう、supersensitivity psychosis)とは、多剤大量や高用量の抗精神病薬の投与によって、薬の作用に対する耐性が形成された状態であり[1][2]、大量の抗精神病薬によってドーパミンD2受容体が上方制御され、抗精神病薬の減量や中断によってすぐに悪化した精神病が見られることが特徴である[3][2]。
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- 1 過感受性精神病とは
- 2 過感受性精神病の概要
- 3 関連項目
過感受性精神病
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詳細は「過感受性精神病」を参照 過感受性精神病は薬の減量と共に、つまり離脱症状として出現する精神症状の悪化であり、しばらくのちに症状が再燃する症状の再発とは異なる。抗パーキンソン病薬は多剤大量処方による錐体外路症状に対して用いられているが、これにも離脱症状があるため抗精神病薬の調整が済んでから4週間ほどかけて減薬する。多剤大量処方を是正している他の医師によれば、致命的な悪性症候群の危険性を避けるため、抗精神病薬が1剤になった時点で取りかかる。抗パーキンソン病薬にも副作用と離脱症状があるため、近年では、抗精神病薬の減量か変薬により、抗パーキンソン病薬を極力用いず、そうでなくとも必要最小限にすることが推奨されている。 日本の文献では、一般に精神科病院の入院患者の10〜20%に多飲症が見られ、3〜4%が水中毒を呈していると言われている。
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