遅ロン
遅ロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 00:25 UTC 版)
右図は南2局、嵌二索の5200をテンパイした直後、トビ寸の南家からが出てしまった図。2着の西家はトップとは6000点差。ロンを宣言してしまうとトップをまくれないまま南家を飛ばしてしまうので見逃そうとした瞬間、北家からロンの声が掛った。北家の手牌はタンピン三色ドラ3、跳満で南家は飛び、北家が逆転トップで西家は3着落ち。どのみち南家が飛ぶなら仕方ないので、西家は北家が倒牌したあと自分もロンを宣言し、手牌を倒した。 西家のこのような行為を遅ロン(ちろん)と言う。遅ロンはルールには抵触しないものの、多くの場合マナー違反とされる。このケースでは西家は一旦は見逃しを選択しており、北家の和了宣言の後、それなら自分も、と和了を宣言している。西家のこの和了を認めるなら、ダブロンを認めないルールの場合西家の5200が北家の跳満を頭跳ねし、北家は和了を認められない(つまりトップを取り損ねた北家からクレームがつく)。ダブロンありのルールの場合、のフリコミによって南家が飛ぶことにはかわりはないが、便乗した遅ロンの西家に余計な5200を払わねばならない(つまり踏んだり蹴ったりにされる南家からクレームがつく)。いずれにせよトラブルのもとになり、フリー雀荘ならば店側の人間に裁定を求めることになる。マナー重視の店では、このような明確な遅ロンは完全なるマナー違反であり、和了を認められない場合がほとんどである。マナーにさほどうるさくない店でも、暗黙のルールに違反しているものとみなされ、やはり和了は認められない。そうではない店の場合、ルール上西家の和了は認められることになるが、同卓者に小さからぬ禍根を残すことになる。 また、多くのフリー雀荘には「発声優先」という原則がある。これは、チーの宣言に対して明らかに遅れたポンの宣言(または大明槓の宣言)があった時、ルール上はポンが優先されるところ、先に発声のあったチーのほうを認めるという取り決めである。これをロン宣言に援用・拡大適用する形で、このような西家の和了を認めない場合もある。 なお、上記のようなトラブルはリアルの麻雀においてのみ発生する。オンライン麻雀では、一旦ロン宣言をスルーして「パス」ないし「キャンセル」のボタンを押してしまうと、そのあと意を翻してロンの宣言をし直すなどといったことはできない仕様になっている。そもそも、1つの捨て牌に対してポン・チー・カン・ロンのいずれかを行えるプレイヤーが複数いた場合、それら全てが実行かパスかを選択し終えるまで実際の行動が開始されないようになっているため、見逃しを翻すか以前に遅ロン自体が発生し得ない。(ゲームによってはポン等の声が出た後から「待ってください、ロン!」等と言うセリフが入る事があるが、これは単なる演出である)
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