進化的安定戦略とは? わかりやすく解説

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進化的安定戦略

読み方しんかてきあんていせんりゃく
【英】:evolutionarily stable strategy

利得行列相手利得行列転置行列となる(すなわち, 対称ゲーム呼ばれる) 2人戦略形ゲームにおいて, 自分混合戦略 x\,, 相手y\, をとるときの利得u(x,y)\, とする. x^*\, が進化的安定戦略であるとは, 任意の y\neq x^*\,について, 十分に小さな\epsilon >0\,に対しては,u(x, (1-\epsilon)x+\epsilon y)>u(y, (1-\epsilon)x+\epsilon y)\,であることをいう. 他の戦略y\,進入に対して, x\,安定であることを表している.

「OR事典」の他の用語
ゲーム理論:  費用分担ゲーム  逐次均衡  進化ゲーム理論  進化的安定戦略  部分ゲーム完全均衡  配分  限定合理性

進化的安定戦略

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/14 07:42 UTC 版)

進化的安定戦略(しんかてきあんていせんりゃく、: evolutionarily stable strategyESS)は、進化生物学およびゲーム理論の重要な概念で、ジョン・メイナード=スミスジョージ・プライスによって1973年に提唱された[1]


注釈

  1. ^ ゲーム理論では「行列ゲーム」という用語は2人零和の双行列ゲームを指す事が多いが[5]、数理生物学では2人対称双行列ゲームの事を指すので[6][7]、本稿ではこれに従った。
  2. ^ 「generic payoff assumption(仮定)」という言葉を用いている事からもわかるように、あくまでこれらは生物学にありそうなシナリオから想定した仮定であり、純粋に数学的にはこの仮定がなりたたないケースを考えるのは容易である。例えばが恒等的に0であれば、は明らかに全てので0である。また偏微分が0になる戦略全体の集合が零集合であっても、(何らかの制約条件等により)偏微分が0になるような戦略が確率1で成立するようなケースも数学的には考えうる。
  3. ^ 前節まではという記号で表記していたが、本節では記号を単純にする為、上述のようなベクトル表記で表す。
  4. ^ 一般に「証明をつけようと思えばつけられると誰もが思っているが、実際には誰一人としてその証明をつけたことがない定理」のことを folklore (民間伝承) と呼ぶので、両定理ともフォーク定理と呼ばれている。

出典

  1. ^ a b c SP73
  2. ^ a b 本節は巌佐98 p211-214を参照した。なお、巌佐98がここで出している例はジョン・メイナード=スミスジョージ・プライスの原論文(SP73)から引用したものである。
  3. ^ SP73 p16
  4. ^ 巌佐98 p212
  5. ^ ORWiki 行列ゲーム”. 2019年2月7日閲覧。
  6. ^ BR13 p.93
  7. ^ CA16 p.5
  8. ^ HS88JCL14 p995からの重引)、A10 p13
  9. ^ a b M16 p4
  10. ^ a b PS94 p940
  11. ^ a b M16 p10
  12. ^ 本節はA10 p13を参考にした
  13. ^ a b M07 p7
  14. ^ BR13 p.96.
  15. ^ M07 p3
  16. ^ a b CA16 p9。
  17. ^ a b c PS94 p937, 939-940
  18. ^ a b A10 p18
  19. ^ 巌佐98 p213
  20. ^ M16 p.2.
  21. ^ a b M07 p.5.
  22. ^ BR13 p.59
  23. ^ BR13 p.13.
  24. ^ BR13 pp.14-15.
  25. ^ BR13 p.25.
  26. ^ a b BR13 p.121.
  27. ^ a b PS94 p.936
  28. ^ BR13 p.26.
  29. ^ BR13 p.37.
  30. ^ BR13 p.94.
  31. ^ a b BR13 p.121.
  32. ^ a b c d e BR13 p.122.
  33. ^ BR13 p.122.
  34. ^ a b BR13 pp.122-123.
  35. ^ BR13 pp.21, 122-123.
  36. ^ BR13 p.125.
  37. ^ S07 p.10.
  38. ^ a b c 粕谷90 p.40.
  39. ^ a b S82 位置311
  40. ^ BR13 p.127.
  41. ^ S07 p.11.
  42. ^ BR13 p.126.
  43. ^ a b c BR13 p.142.
  44. ^ BR13 p.144.
  45. ^ 進化と学習のゲーム理論”. OR事典Wiki. 社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会 OR事典編集委員会. 2019年3月6日閲覧。
  46. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p BR13 pp.29-31.
  47. ^ PS94 p.949.
  48. ^ a b c d e BR13 p.43.
  49. ^ HS03 p.481.
  50. ^ 橋本佳明. “第三章 常微分方程式の解の存在と一意性” (pdf). 名古屋市立大学. p. 23. 2019年3月4日閲覧。
  51. ^ a b c d e HS03 p.482.
  52. ^ HS03 p.484.
  53. ^ a b c d HS03 p.486.
  54. ^ a b c d PS94 pp.938-940
  55. ^ HS03 p.503.
  56. ^ S72
  57. ^ S74
  58. ^ S82





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