起爆過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:19 UTC 版)
起爆電橋線型雷管が32個同時に起爆する。 衝撃波は起爆した地点から放射状に広がっていく。 早い爆薬:コンポジションB 遅い爆薬:バラトール(32個の遅い爆薬の中で衝撃波がレンズの中の光のように屈折する) 早い爆薬:コンポジションB アルミニウム合金製プッシャー(低密度の爆薬から高密度のウランに衝撃波が投射されると、その密度差からレイリー・テイラー波と呼ばれる低圧の波が発生して十分な圧力をプルトニウムに加えることが出来なくなる。これを抑えるために、いったん爆薬より高密度な軽金属に衝撃波を投射してからプルトニウムへ伝達している) 中性子点火器が爆縮の衝撃波を受けるとポロニウム殻と内部のベリリウム球が急激に混合され、ポロニウム210が放射したアルファ粒子がベリリウムに衝突して中性子を10ナノ秒に1個の割合で周期的に放出する。 低密度デルタ相の合金である核が爆縮による衝撃波で発生した数百万気圧の圧力によってアルファ相に転移すると、密度が増加して大きな反作用挿入を起こす。これに中性子点火器から放出された中性子が当たると急激に核分裂反応が進む。 天然ウランのタンパーが発生した中性子を反射して核分裂の効率を高める。 ホウ素合金の殻が発生した核分裂中性子を低速の熱中性子にし、散乱して天然ウランのタンパーに戻るのを防止することで核分裂の効率を高める。
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