資産価格付けの基本定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/27 16:23 UTC 版)
資産価格付けの基本定理(しさんかかくづけのきほんていり、英: fundamental theorem of asset pricing)とは、リスク中立確率の存在と一意性についての必要十分条件を述べる金融経済学、数理ファイナンスの定理である。Michael Harrison、デイヴィッド・クレプス、Stanley Pliska らによって1970年代後半から1980年代前半にかけて示された[1][2][3]。ファイナンスの基本定理、アセットプライシングの基本定理とも呼ばれる。無裁定価格理論や市場の完備性といった経済学的概念とリスク中立確率という数学的概念を結びつけた、資産価格理論において中核的な役割を果たす定理である。
- ^ Harrison and Kreps (1979)
- ^ Harrison and Pliska (1981)
- ^ a b Harrison and Pliska (1983)
- ^ Shreve (2004), pp. 224-234
- ^ Dybvig and Ross (2003), p. 614
- ^ Dybvig and Ross (1987)
- ^ Shreve (2004), p. 231
- ^ リスク中立確率の項を参照。
- ^ Delbaen and Schachermayer (2005), pp. 18-19
- ^ Delbaen and Schachermayer (1994)
- ^ Delbaen and Schachermayer (1994), Corollary 1.2
- ^ Delbaen and Schachermayer (1994), Theorem 1.1
- ^ Delbaen and Schachermayer (1998)
- ^ a b Shreve (2004), pp. 232-233
- ^ Biagini (2010)
- 1 資産価格付けの基本定理とは
- 2 資産価格付けの基本定理の概要
- 3 参考文献
- 4 関連項目
資産価格付けの基本定理
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「金融経済学」の記事における「資産価格付けの基本定理」の解説
詳細は「資産価格付けの基本定理」を参照 資産価格付けの基本定理(英: the fundamental theorems of asset pricing)とは、Michael Harrison、デイヴィッド・クレプス、Stanley Pliska らによって示された裁定機会の非存在と市場の完備性の同値条件を述べる定理である。数理ファイナンスにおける様々な派生証券の価格付け理論で中心的な役割を果たしている定理である。 金融市場の数学的定式化の違いにより定理の内容が若干異なるが、通常以下のように言及される。 資産価格付けの第1基本定理 金融市場に裁定取引が存在しない必要十分条件は少なくとも1つ以上のリスク中立確率が存在することである。 資産価格付けの第2基本定理 金融市場に裁定取引が存在しないと仮定する。この時、金融市場が完備である必要十分条件はリスク中立確率が一意に定まることである。 確率的割引ファクターの項目で見たように、リスク中立確率とは金融資産の価格を利子率で割り引いたものがマルチンゲールになるような確率である。よって価格変動の確率的性質が既知の金融資産を用いてリスク中立確率を一度計算してしまえば様々な金融資産の現在価格を計算することが出来る。資産価格付けの基本定理はこのような数学的操作によって導かれる現在価格に対し、無裁定価格付け理論という金融経済学としての価格付けに対する基礎を与える定理となる。
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