しょうし【証紙】
=日電協証紙 |
証紙
証紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:37 UTC 版)
1946年(昭和21年)に実施された新円切替の際、新円の紙幣(A号券)の供給不足を補うため、旧円の紙幣表面右上に切手や収入印紙よりも一回り小さい証紙(證紙)を貼付して暫定的に新円の紙幣の代用として使用する措置が取られていた。 製造期間は1946年(昭和21年)1月から2月までであるが、製造時点では預金封鎖を伴う新円切替を実施することが一般に知られないよう極秘裏に検討されていたため、「無記名証紙」という名目で証紙の利用用途を伏せた状態で製造を行っている。 証紙の様式は1946年(昭和21年)2月20日の大蔵省告示第30号「日本銀行券預入令ノ特例ノ件第一條第二項ノ規定ニ依ル證紙ノ種類及樣式略圖」において定められている。その証紙と貼付対象となった紙幣は次の通り。 額面刷色寸法(mm)透かし製造枚数日本銀行への納入期間貼付対象紙幣10円(拾圓) 藍色 24×14 (なし) 9億枚 1946年(昭和21年)2月6日 - 3月9日 丙拾圓券・い拾圓券・ろ拾圓券 100円(百圓) 緑色 24×14 波型模様 10億枚 1946年(昭和21年)2月1日 - 3月29日 乙百圓券・い百圓券・ろ百圓券 200円(貳百圓) 暗紫色 24×14 波型模様 8000万枚 1946年(昭和21年)2月14日 - 2月22日 丙貳百圓券・丁貳百圓券 1000円(千圓) 紅色 24×14 波型模様 2000万枚 1946年(昭和21年)2月14日 - 2月14日 甲千圓券 上表に掲げた紙幣は本来1946年(昭和21年)3月2日に通用停止となったものである。これらの証紙貼付券は、当時「S券(Stamped noteの略)」と呼ばれていた。十分な量の新円の紙幣(A号券)が供給されたことにより、証紙貼付券は1946年(昭和21年)10月末に通用停止となった。 日本銀行や市中銀行だけでは膨大な量の証紙貼付作業を行うことは不可能であったため、郵便局などの金融機関や自治会などにも委託が行われたほか、新円切替の窓口では証紙貼付券のみならず証紙自体が直接市民に手渡されることもあった。 200円および1000円の証紙貼付券は現存数が極めて少ない。 戦後の混乱期のため、以上の他にも当時通用停止になっていたはずの甲拾圓券・乙拾圓券に証紙が貼られたものや、乙貳拾圓券に10円証紙が2枚貼られたものなども存在するが、これらが通用したかどうかは不明である。
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