胸痛の診断プロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 14:21 UTC 版)
まずは外傷性か非外傷性かをみる。これらはエピソードで大抵区別できるが胸部X線撮影で確定できる。非外傷性ならば、否定されるまでは虚血性心疾患として扱う。12肢誘導の心電図をとり虚血性心疾患を疑うエピソードがないかどうか問診をする。虚血性心疾患を否定できたら血管性の病変か非血管性の病変を調べる。非血管性であれば、上腹部の消化管の疾患まで鑑別にいれていく。胸痛のアプローチとしては致死的な疾患の除外、好発年齢などから可能性をランキングし、身体所見でさらに狭めていくという方法が非常に安全である。見逃してはならない胸痛をおこす疾患としては、急性冠症候群、急性大動脈解離、心タンポナーデ、緊張性気胸、肺塞栓、食道破裂、急性胆嚢炎、急性膵炎があげられる。患者が痛みの部位を話したとき、それをそのまま医学用語に変換することは危険である。胸痛といっても胸腔内の疾患とは限らず、腹痛でも腹腔内の疾患とも限らない。胸痛の場合は、上部消化管疾患までは念頭におく。
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