神経衰弱の再発
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1932年(昭和7年)1月、「酒盗人」を雑誌『文藝春秋』に発表。4月、「露路の友」を雑誌『オール讀物』に発表。この年から再び、神経衰弱が再発するようになる。住居を転々とする度に(作品が書けなくなると、引越しをした)、息子を転校させないように、一子の英雄を暁星小学校に編入させる。経済的に困窮していたが、これには坂口安吾の勧めがあったという。6月、「山男と男装の美女」を雑誌『オール讀物』に発表。8月、「鬼の門」を雑誌『中央公論』に発表。9月、「ゾイラス」を雑誌『文藝春秋』に発表。10月、「泉岳寺附近」を雑誌『新潮』に発表。漸次、生活の疲れが目立つようになる。弟・英二はこの年に、モダン日本社に入社。 1933年(昭和8年)3月、「沼辺より」を雑誌『新潮』に発表。「心象風景」(続編)を雑誌『文藝春秋』に発表。義弟・浅尾辰雄を訊ねて水戸へ行く。4月、「まぼろし」を雑誌『オール讀物』に発表。5月、西銀座の「きゆぺる」の2階で中原中也と会う。中原は谷丹三らと同人雑誌の相談で集まり、そこへ谷の誘いで牧野が来たという。6月、「心象風景」(続編)を雑誌『文藝春秋』に発表。7月、「天狗洞食客記」を雑誌『経済往来』に発表。「疑惑の城」を雑誌『四季』に発表。「奇友往来」を雑誌『オール讀物』に発表。夏、山田村の村長・瀬戸佐太郎の紹介で、足柄下郡大井村(現・大井町)の宇佐美方に転居。昆虫採集などをする。9月、「真夏の朝のひととき」を雑誌『新潮』に発表。10月、「武者窓日記」を雑誌『経済往来』に発表。11月、「船の中の鼠」を雑誌『文學界』に発表。12月、「夜見の巻―『吾が昆虫採集記』の一節」を雑誌『文藝春秋』に発表。この作品でも愛馬ゼーロンが登場し、天空を駆け巡るペガサスにも比すべき壮麗な姿をみせる。「ベッコウ蜂」を雑誌『行動』に発表。旺盛な執筆を取り戻す。
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