ゼーロンとは? わかりやすく解説

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ゼーロン


ゼーロン

作者牧野信一

収載図書文豪ナンセンス小説
出版社河出書房新社
刊行年月1987.7
シリーズ名河出文庫

収載図書日本短篇
出版社文芸春秋
刊行年月1989.3

収載図書昭和文学全集 7
出版社小学館
刊行年月1989.5

収載図書バラルダ物語
出版社福武書店
刊行年月1990.10
シリーズ名福武文庫

収載図書ゼーロン・淡雪十一
出版社岩波書店
刊行年月1990.11
シリーズ名岩波文庫

収載図書短編愉楽 2 近代小説のなかの異空間
出版社有精堂出版
刊行年月1991.3

収載図書闇×幻想13=黎明幻想怪奇名作
出版社ペンギンカンパニー
刊行年月1993.7

収載図書牧野信一作品集
出版社沖積舎
刊行年月1993.8

収載図書牧野信一全集 第4巻 昭和5年6月昭和7年9月
出版社筑摩書房
刊行年月2002.6

収載図書方法実験 新装版
出版社學藝書林
刊行年月2002.11
シリーズ名全集 現代文学発見

収載図書百年小説
出版社ポプラ社
刊行年月2008.12


ゼーロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 00:08 UTC 版)

ゼーロン』は、牧野信一短編小説。「ギリシャ牧野」と呼ばれる中期の牧野文学の代表作で傑作とも評されている[1][2][3]小田原の村の風土に古代ギリシャ中世ヨーロッパのイメージを重ね合わせ、怠惰な駄馬に堕してしまった愛「ゼーロン」との騎馬行を現実が交錯する趣向で描いた物語[4][1]。難攻するゼーロンとの騎馬行の果てに、主人公が夢見たような「荘厳な光景」が現われるまでを、幻想的かつユーモラスに描き、夢幻の世界を創造している[1][5][6]


注釈

  1. ^ ただし、牧野の小説は一作ごとに「完結した小宇宙」を形成する傾向が強いため、同一視点からの短絡的な比較には注意を要すると、柳沢孝子は解説している。
  2. ^ 「鬼涙村」が舞台となる作品には、『沼辺より』(1933年)、『夜見の巻』(1933年)、『剥製』(1934年)、『鬼涙村』(1934年)などがある。
  3. ^ 『疳の虫』、『白明』、『妄想患者』には叔父のことが親しみを込めて描かれている。
  4. ^ 『爪』には、「頭が割れさうだ」、「狂人になるんぢやないかしら?」と呟く場面がある。
  5. ^ 牧野が幼少時に、父親を知らぬ家庭で育ったこと、母親を愛せなかったこと、自分がその父母の子であるということ。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 三島由紀夫「解説 牧野信一」(『日本の文学34 内田百閒・牧野信一・稲垣足穂』)(中央公論社、1970年)。三島由紀夫『作家論』(中央公論社、1970年。中公文庫、1974年。2003年)
  2. ^ a b c d e f g h i 柳沢孝子「ゼーロン 解説」(『短編の愉楽2―近代小説のなかの異空間』)(有精堂出版、1991年)
  3. ^ a b c d 河上徹太郎「死んだ牧野信一」(文學界 1936年5月号に掲載)。のち「牧野信一追悼」と改題し、『現実再建』(作品社、1936年)に所収。
  4. ^ 「カバー解説」(文庫版『ゼーロン・淡雪』)(岩波文庫、1990年)
  5. ^ a b c d e 小倉脩二「ゼーロン」(國文學 1974年6月号に掲載)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 堀切直人「荒武者マキノ」(文庫版『ゼーロン・淡雪』)(岩波文庫、1990年)
  7. ^ 「初出一覧」(文庫版『ゼーロン・淡雪』)(岩波文庫、1990年)
  8. ^ 「ゼーロン」作品データ”. 青空文庫. 2014年5月21日閲覧。
  9. ^ a b c 保昌正夫「牧野信一 年譜」『昭和文学全集7』(小学館、1989年)
  10. ^ a b c d e f g h 大森澄雄「牧野信一と小田原」(解釈と鑑賞 1975年5月号に掲載)
  11. ^ 柳沢孝子「解説」(『日本文学研究資料新集25 宇野浩二と牧野信一 夢と語り』)(有精堂出版、1988年)
  12. ^ 和田博文「視線の回帰――牧野信一『鬼涙村』の不安」(国語と国文学 1987年7月号に掲載)
  13. ^ a b c d e f 千石英世「牧野信一・人と文学」『昭和文学全集7』(小学館、1989年)
  14. ^ a b c d 柳沢孝子「解説」(『日本文学研究資料新集25 宇野浩二と牧野信一 夢と語り』)(有精堂出版、1988年)
  15. ^ a b 磯貝英夫「私小説の克服――昭和文学の一系統をめぐって」(文學 1960年1 - 2月号に連載)。『現代文學史論』(明治書院、1980年)に所収。
  16. ^ 牧野信一「夜見の巻―『吾が昆虫採集記』の一節」(文藝春秋 1933年12月号に掲載)
  17. ^ a b c d e 佐藤泰正「牧野信一の文体の問題――ゼーロンものをめぐって」(國文學 1974年6月号に掲載)。『近代文学遠望』(国文社、1978年)所収。
  18. ^ 牧野信一「父の百ヶ日前後」(中央公論 1924年10月号に掲載)
  19. ^ 保昌正夫「牧野信一の死」(本の手帖 第5巻第10号・1965年12月号に掲載)
  20. ^ 牧野信一「気狂ひ師匠」(早稲田文学 1935年11月号に掲載)
  21. ^ 牧野信一「白明」(解放 1921年3月号に掲載)
  22. ^ 牧野信一「疳の虫」(少年 1921年7月号に掲載)
  23. ^ 牧野信一「妄想患者」(新小説 1922年10月号に掲載)
  24. ^ 牧野信一「爪」(十三人 1919年12月号に掲載)
  25. ^ a b 河上徹太郎「牧野信一をめぐって」(『わがデカダンス』所収)(新潮社、1962年)
  26. ^ a b c 柳沢孝子「蒼ざめた夜の夢――牧野信一の晩年」(文芸と批評 第5巻第10号・1984年7月号に掲載)



ゼーロン(馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:52 UTC 版)

「ゼーロン」の記事における「ゼーロン(馬)」の解説

栗毛牡馬塚田村にある水車小屋馬車引き馬「私」マキノ)がたびたび借りていた愛馬以前は、居酒屋酔いつぶれた「私」をちゃんと背中乗せて深夜の道を、手綱執る者もなくても住家まで送り届ける親切で優秀な馬だった。

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「ゼーロン(馬)」を含む「ゼーロン」の記事については、「ゼーロン」の概要を参照ください。

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