破産者の管理処分権喪失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 21:31 UTC 版)
破産財団の管理処分権は破産管財人に専属し(同法7条)、破産者は管理処分権を喪失する。 破産者が、破産宣告の後、破産財団に属する財産に関してなした法律行為は、これをもって破産債権者に対抗することができないし(同法53条1項)、破産宣告の後、破産財団に属する財産に関し、破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その取得は、これをもって破産債権者に対抗することができない(同法54条1項)。 不動産又は船舶に関し、破産宣告前に生じた登記原因に基づき、破産宣告後になした登記又は不動産登記法2条1項の規定による仮登記は、これをもって破産債権者に対抗することができない(同法55条1項本文)。もっとも、登記権利者が破産宣告の事実を知らずになした登記又は仮登記は、これをもって破産債権者に対抗することができる(同項但書)。 権利の設定、移転又は変更に関する登録又は仮登録及び企業担保権の設定、移転又は変更に関する登記についても、同様である(同条2項、3項)。 破産宣告の後、その事実を知らずに破産者になした弁済は、これをもって破産債権者に対抗することができる(同法56条1項)。 破産宣告の後、その事実を知って破産者になした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、これをもって破産債権者に対抗することができる(同条2項)。 破産法55条ないし57条の適用については、破産宣告の公告前にあってはその事実を知らなかったものと推定し、公告後にあってはその事実を知っていたものと推定する(同法58条)。
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