田母神論文問題とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 田母神論文問題の意味・解説 

田母神論文問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 07:25 UTC 版)

田母神論文問題(たもがみろんぶんもんだい)とは、2008年に当時航空幕僚長だった田母神俊雄が、政府見解と反する論文を発表・公開した問題である。


注釈

  1. ^ 実際の成立は1937年であり誤り
  2. ^ 正式には「ワック・マガジンズ」だが、 田母神の記述に従う
  3. ^ 田母神論文による出典は『岩間弘著「大東亜解放戦争」岩間書店刊』、なお「岩間書店」は著者の岩間自身が興したものである。また、この「劉少奇の会見」の元ネタは『文藝春秋』1988年7月号に掲載された、東京裁判で証言を拒否されたという桂鎮雄(元支那駐屯歩兵第二連隊陸軍中尉)の『盧溝橋事件 真犯人は中共だ 私は東京裁判で本件の証言を中止させられた』という論文である。ただし桂の話は証言する予定であった桜井徳太郎から聞いたものだという。桂の論文では会見が行われたのが「昭和22年4月」としているが、当時の劉少奇は当時国共内戦の最中で西側のマスコミと接触した記録が無く、また論文では「劉少奇証言」で牟田口廉也が釈放されたとしているが、牟田口は盧溝橋事件で東京裁判では起訴されておらず、ビルマ戦線の容疑でイギリスによってシンガポールで拘留されており、実際に無罪で釈放されたのは1948年3月であるなど、辻褄が合わない点ばかりである。これらの経緯については秦郁彦の『昭和史の謎を追う』が詳しい
  4. ^ アメリカ合衆国義勇軍ことフライング・タイガースが中国の昆明に到着した時期は1941年11月であるが、日本軍と初めて戦闘したのは1941年12月20日以降であり、誤り
  5. ^ 彼の実際の肩書きは「財務次官補」であり誤り
  6. ^ つじつまがあわないようであるが、原文ママ
  7. ^ 田母神はタイ、ビルマ(ミャンマー)、インド、シンガポールで、インドネシアとしている。ただしタイは独立国であったほか、インドネシアでも1970年代までは反日感情が強く、シンガポールも戦時中の日本の占領政策には批判的である
  8. ^ 仮に自衛隊員が「軍人」でないとしても、公務員として憲法を遵守する義務がある(日本国憲法第99条
  9. ^ 批判的な秦も同号に寄稿している
  10. ^ 小西は逮捕時に「命令違反」などを理由に懲戒免職処分を受けていたため「免職取消・原隊復帰」を求めて東京地方裁判所に提訴していたが、処分から27年たった1997年、東京地裁は小西の訴えを却下した。
  11. ^ 226事件の際に東京陸軍幼年学校校長であった阿南が生徒に行った訓示。
  12. ^ 戦前の旧日本軍の軍人勅諭」にも「世論ニ惑ハス政治ニ拘ラス」と政治への関与を否定する規定があった
  13. ^ ただし別宮は先制攻撃者が侵略者であるという立場に立っており、はじまりとする第二次上海事変蔣介石側の先制攻撃にはじまったため、日中戦争中華民国からの侵略であると定義している。また別宮はルーズベルト陰謀説、張作霖爆殺コミンテルン主犯説を否定している。
  14. ^ 「正論」と「Will」「チャンネル桜」に田母神が執筆者ないし出演者として参加しているほか、産経新聞は「正論」の出版元である

脚注

  1. ^ a b 論文の原文
  2. ^ https://web.archive.org/web/20111013030553/http://www.apa.co.jp/newsrelease/news08.html
  3. ^ https://ajrf.jp/ronbun/award_01-10.html
  4. ^ a b c 【政論探求】「田母神論文」秘書のうかつな発言 審査の真実 2008年11月12日閲覧
  5. ^ a b c d e f g 朝日新聞、2008年12月1日、東京版朝刊、1面。
  6. ^ 週刊新潮 前掲号
  7. ^ “田母神論文を1ページ広告で掲載 産経新聞”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年11月11日). https://web.archive.org/web/20140403201319/http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111101000403.html 2013年5月28日閲覧。 
  8. ^ 正論2009年3月号『やむにやまれぬ「防人」の思い』、『陸・海・空三自衛隊の現役幹部が激白! 「村山談話」に押し潰される国防の士気』
  9. ^ https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009983892
  10. ^ a b c “読む政治:前空幕長論文問題(その2止) 「危険人物」不安現実に”. 毎日Jp. (2008年11月9日). オリジナルの2008年12月28日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/YRtvd 2009年2月17日閲覧。 
  11. ^ a b c d e f g h 第170回国会 外交防衛委員会 第6号 平成20年11月11日
  12. ^ “前空幕長参考人質疑 特異な言動、「政治」が許容”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20081112ddm003010096000c.html 2008年11月21日閲覧。 [リンク切れ]
  13. ^ 【田母神氏招致・詳報】(4)「自衛官にも言論の自由。どこが悪かったか審理してもらった方が…」(産経ニュース 2008年11月11日閲覧)
  14. ^ 田母神空幕長を更迭=論文で「侵略国家はぬれぎぬ」-政府見解に異論(時事通信 2008年11月10日閲覧)
  15. ^ 「田母神前空幕長に退職金自主返納求める」防衛相、意見を表明(『産経新聞』 2008年11月10日閲覧)
  16. ^ 【田母神氏招致】(5)「退職金返納」は拒否( 『産経新聞』 2008年11月12日閲覧)
  17. ^ a b 自衛隊法施行規則(昭和29年総理府令第40号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年6月26日). 2020年1月22日閲覧。
  18. ^ 『航空幕僚長:複数の現職自衛官も応募 「更迭」の懸賞論文』(毎日.jp 2008年11月1日)
  19. ^ a b 参議院外交防衛委員会5号 平成20年11月06日
  20. ^ [1] 発言No. 198 田母神俊雄
  21. ^ a b c d e 週刊新潮』 2008年11月20日号
  22. ^ 『産経新聞』 1992年11月14日
  23. ^ 『読売新聞』 1992年11月14日
  24. ^ a b “田母神氏「私人として応募」=自衛隊への信頼損ねた-答弁書”. 時事ドットコム. (2008年11月14日). http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c5%c4%ca%ec%bf%c0&k=200811/2008111400369 2009年2月19日閲覧。 
  25. ^ 『産経新聞』 2008年11月14日
  26. ^ 自衛隊法(昭和29年法律第165号)第61条”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年6月19日). 2020年1月22日閲覧。
  27. ^ 「防衛省改革の取組みについて(防衛省)PDF)
  28. ^ 前空幕長更迭問題で幹部7人処分 防衛相は給与1カ月返納・MSN産経ニュース
  29. ^ a b 田母神・前空幕長の論文から思うこと-石破茂オフィシャルブログ-2008年11月5日記事
  30. ^ 文民統制-石破茂オフィシャルブログ-2008年11月10日記事
  31. ^ “自民で田母神擁護論 国防合同部会「なぜ悪い」”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年11月11日). https://web.archive.org/web/20111222142525/http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111101000225.html 2013年5月13日閲覧。 
  32. ^ “辞職?懲戒?定年?…前空幕長の処遇巡り防衛省大揺れ”. 読売新聞. (2008年11月3日). オリジナルの2008年11月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081107184909/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081103-OYT1T00135.htm? 2008年11月12日閲覧。 
  33. ^ 憲法改正論にまで踏み込む前航空幕僚長 「田母神論文」の危うさ(『毎日新聞』 2008年11月12日夕刊)
  34. ^ a b “前空幕長論文問題(その1) 元首相の名挙げ抵抗 辞職巡り押し問答”. 毎日新聞. オリジナルの2008年11月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081212114757/http://mainichi.jp/select/seiji/choice/news/20081109ddm001010054000c.html 2008年11月9日閲覧。 
  35. ^ 【正論】東京大学名誉教授・小堀桂一郎 空幕長更迭事件と政府の姿勢(産経ニュース 2008年11月6日)
  36. ^ 麻生政権考】支持率急落、どう克服 2008年12月28日閲覧
  37. ^ 岩田の日記
  38. ^ a b 『小学校から勉強を』 「低レベル」論文内容 識者らあきれ顔(『東京新聞』 2008年11月1日閲覧)
  39. ^ 秦郁彦の原書は「中華民国第二十九軍による偶発的射撃」としている。
  40. ^ 『朝日新聞』 2008年11月11日
  41. ^ a b 【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 田母神論文の意味するところ(産経ニュース 2008年12月5日配信、2008年12月7日閲覧)
  42. ^ 『月刊社会民主』2009年1月号「『田母神問題』を考える」
  43. ^ a b “【正論】櫻田淳 空幕長論文の正しさ・つたなさ”. 産経新聞イザ!. (2009年2月10日). http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/193431/ 2008年11月7日閲覧。 
  44. ^ “航空幕僚長:田母神氏「淡々と従う」 識者らは批判”. 毎日新聞. オリジナルの2008年11月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081103153025/http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081101k0000m010152000c.html 2008年11月1日閲覧。 
  45. ^ 防衛OB太田述正アングロサクソン文明と軍事研究ブログ「田母神空幕長解任事件について」
  46. ^ 『朝日新聞』 2008年11月13日
  47. ^ 朝日新聞2008年11月11日
  48. ^ 週刊朝日2008年11月28日号
  49. ^ “空幕長更迭―ぞっとする自衛官の暴走”. 朝日新聞. (2008年11月2日). https://megalodon.jp/2008-1102-0605-29/www.asahi.com/paper/editorial20081102.html 2013年2月27日閲覧。 
  50. ^ “空幕長更迭 立場忘れた軽率な論文発表”. 読売新聞. (2008年11月2日) 
  51. ^ a b “社説:空幕長更迭 トップがゆがんだ歴史観とは”. 毎日新聞. (2008年11月2日). https://megalodon.jp/2008-1104-1945-40/mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081102ddm005070003000c.html 2013年2月27日閲覧。 
  52. ^ “社説2 田母神空幕長の解任は当然(11/3)”. 日本経済新聞. (2008年11月3日). https://megalodon.jp/2008-1103-1200-21/www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081102AS1K0100101112008.html 2013年2月27日閲覧。 
  53. ^ a b “【主張】空自トップ更迭 歴史観封じてはならない”. 産経新聞. (2008年11月2日). https://megalodon.jp/2008-1102-0821-14/sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081102/crm0811020318002-n1.htm 2013年2月27日閲覧。 
  54. ^ 田母神論文と小和田恒「ハンディキャップ国家」論 web「正論」
  55. ^ 『報道されない近現代史―戦後歴史は核を廻る鬩ぎ合い』産経新聞出版(2008年)ISBN 978-4863060586
  56. ^ 産経新聞2008年11月11日のアパ・グループ(懸賞論文事務局名義)による田母神論文全文を載せた意見広告
  57. ^ 【田母神氏招致・詳報】(8)「yahooでは58%が私を支持している」(イザ!2008年11月11日 14:21更新)
  58. ^ Yahoo!みんなの政治ヘルプ アンケートについて 2009年2月18日閲覧
  59. ^ 『週刊文春』 2008年11月27日号 166~167頁
  60. ^ 調布 史の会
  61. ^ 『週刊文春』 2008年11月27日号 167頁
  62. ^ “〈ネットはいま〉第2部―7 「58%の支持」”. アサヒ・コム. (2009年2月10日). http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200902100184.html 2009年2月17日閲覧。 
  63. ^ 「田母神氏支持」、ネット調査で7割(livedoorニュース 2008年11月12日)
  64. ^ 「いささかも間違ってない」あなたは田母神氏を?ライブドアネットアンケート
  65. ^ 日本テレビ2008年11月定例世論調査
  66. ^ 「防衛省改革会議」(第12回)会議終了後の記者ブリーフ要旨
  67. ^ 前空幕長論文問題:田母神氏に退職金6000万円 与党幹部から異論(『毎日新聞』 2008年11月14日閲覧)
  68. ^ 元公務員の退職金返納基準 『懲戒免職相当』に拡大(『東京新聞』 2008年11月14日閲覧)
  69. ^ 前空幕長、問題視されるアパグループ代表との親密関係(『読売新聞』 2008年11月12日閲覧)
  70. ^ 田母神前空幕長とアパグループ代表、10年来の親交(『朝日新聞』 2008年11月12日閲覧)
  71. ^ 小松基地の宿舎、3分の1がアパと契約 03年度以降(『朝日新聞』 2008年11月18日閲覧)
  72. ^ 田母神・前空幕長が指示否定「すれば1000人投稿」(『朝日新聞』 2008年11月12日)
  73. ^ 田母神氏が統幕学校長時代、歴史観・国家観の講座開設(『朝日新聞』 2008年11月14日閲覧)
  74. ^ 「つくる会」幹部招く、自衛隊幕僚学校 田母神氏新設の講座(『しんぶん赤旗』 2008年11月11日閲覧)
  75. ^ 朝日新聞、2008年12月9日、東京版朝刊、29面。
  76. ^ 週刊新潮 2008年11月13日号 25頁
  77. ^ 朝日新聞、2008年12月1日、東京版朝刊、39面。
  78. ^ 中国新聞2008年12月6日朝刊
  79. ^ 『Will』2009年10月号「田母神俊雄、原爆の日に広島で敢えて核武装を論ず」より引用
  80. ^ 空自の懸賞論文大量投稿問題、「防衛監察本部」が調査開始 読売新聞2008年11月15日
  81. ^ 週刊新潮2008年11月20日号
  82. ^ [2] 発言No.006 田母神俊雄、208 田母神俊雄
  83. ^ a b 第170回国会 衆議院安全保障委員会第3号 平成20年12月12日



田母神論文問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 14:12 UTC 版)

花岡信昭」の記事における「田母神論文問題」の解説

「田母神論文問題」も参照 2008年アパグループ主催第1回「真の近現代史観」懸賞論文』の選考関わり田母神俊雄の「日本は侵略国家であったのか」を高く評価し最優秀賞推した。この論文では笠原十九司纐纈厚上杉聡小林節から事実誤認文章表現拙劣だと酷評され、また選考の際、自民党中山泰秀代わり出席した秘書内容過激であり最低点付けた論文田母神論文であったが、他の委員最高点をつけたため選考されたという。そのため田母神最優秀賞にするための工作があったのではないか疑われているが、花岡秘書含め満場一致決定したのだから問題ない主張している。

※この「田母神論文問題」の解説は、「花岡信昭」の解説の一部です。
「田母神論文問題」を含む「花岡信昭」の記事については、「花岡信昭」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「田母神論文問題」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「田母神論文問題」の関連用語

田母神論文問題のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



田母神論文問題のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの田母神論文問題 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの花岡信昭 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS