産地と歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 17:54 UTC 版)
日本国内で消費される桜葉漬けの約70%は、静岡県の松崎町で生産されている。当地では風が強くないため葉がすれあわず、日当たりと水はけのよい段々畑がある事がオオシマザクラ栽培に有利に働いている。 隣接する南伊豆町の子浦では、和菓子の製造者に向けた桜葉漬けの生産が1910年頃から始まった。当時の子浦では後背地の山林で木炭用に生育の早いオオシマザクラが生育されており、桜葉漬けは舟運で結ばれている沼津港に出荷された。その後、需要の増加に応えて隣接する松崎町の岩科川上流地域でも桜葉漬けの生産が始まり、1932年には松崎港からも出荷されるようになった。 1950年代以降に燃料革命によって木炭の需要が減少すると、炭焼き産業が衰退して薪炭樹からの葉の採集が困難になった。一方でクワやコムギの生産も低迷していたため、これらの作物の畑でオオシマザクラの栽培が始まり、栽培法の改良もあって1960年代から松崎町で急速に畑での栽培が広がった。子浦のようにマーガレットなど新しい換金作物の生産が盛んにならなかった事も影響している。1987年頃が松崎町における生産のピークであり、その後は栽培農家の高齢化が進んでいる。2001年には、同町の桜葉漬けがかおり風景100選に選出された。
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