獣の戯れとは? わかりやすく解説

獣の戯れ

作者三島由紀夫

収載図書決定版 三島由紀夫全集 8 長編小説
出版社新潮社
刊行年月2001.7


獣の戯れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 15:52 UTC 版)

獣の戯れ』(けもののたわむれ)は、三島由紀夫長編小説。全5章から成る。3人の男女の間に生まれた奇妙な愛と、その共同生活と終局への決断が、西伊豆の村の豊かな自然や花を背景に高雅なタッチで描かれた物語。扇情的なタイトルとは裏腹に、静寂的な作品となっている[1]1961年(昭和36年)、週刊誌『週刊新潮』6月12日号から9月4日号に連載され(挿絵:東山魁夷)、同年9月30日に新潮社より単行本刊行された[2][3][注釈 1]。文庫版は1966年(昭和41年)7月10日に新潮文庫より刊行された[3]。翻訳版は、イタリア(伊題:Trastulli d’ animali)、イギリス (英題:The Frolic of the Beasts)、中国(中題:獣之戯)などで行われている[6]。1964年(昭和39年)5月23日に若尾文子の主演で映画化されている[7][8]


注釈

  1. ^ 当初は書き下ろし小説として執筆し、すでに脱稿済のものを、連載の形に分載した[4]。事実上、『仮面の告白』『愛の渇き』『潮騒』『鏡子の家』についで、5番目の書き下ろし小説だと三島は述べている[5]
  2. ^ 『求塚』は、2人の男から求愛された女がに身を投じて、男2人も互いに刺し違えて死んだ後、地獄においても、女が2人の男に左右から手を引っ張られるという話である[21][8]

出典

  1. ^ a b c 「第四章 著名人の時代」(佐藤 2006, pp. 110–143)
  2. ^ 井上隆史「作品目録――昭和36年」(42巻 2005, pp. 424–427)
  3. ^ a b 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
  4. ^ a b c 「作者の言葉」(週刊新潮 1961年6月5日号)。31巻 2003, pp. 579-
  5. ^ a b c 「わが小説――『獣の戯れ』」(朝日新聞 1961年11月13日号)。31巻 2003, pp. 675-
  6. ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
  7. ^ 山中剛史「映画化作品目録」(42巻 2005, pp. 875–888)
  8. ^ a b c d 松田ひとみ「獣の戯れ」(事典 2000, pp. 114–116)
  9. ^ 「年譜――昭和48年6月10日」(42巻 2005, p. 340)
  10. ^ 黄金崎の文学碑の写真は宮崎 2006, p. 176
  11. ^ a b c d 「『夏』と『海』を見に出かける――『獣の戯れ』取材旅行」(週刊読書人 1962年1月29日号)。32巻 2003, pp. 27–28
  12. ^ a b c d 東山魁夷「初めての挿絵」(芸術新潮 1961年10月号)。佐藤 2006, p. 123
  13. ^ 佐伯彰一「“愛”を書いた本格作」(日本経済新聞 1961年10月16日号)。事典 2000, p. 115
  14. ^ 村松剛「物語を信じない人々の物語」(東京新聞夕刊 1961年11月8日号)。事典 2000, p. 115
  15. ^ 三輪秀彦「新しいロマン」(秩序 1962年8月10日号)。事典 2000, p. 115
  16. ^ 田中澄江「壮絶な調べ奏でる」(週刊読書人 1961年10月30日号)。事典 2000, p. 115
  17. ^ 奥野健男「余りに見事な文体」(読売新聞夕刊 1961年11月2日号)。事典 2000, p. 115
  18. ^ a b 荻久保泰幸「獣の戯れ」(旧事典 1976, pp. 138–139)
  19. ^ a b c d e 田中美代子「解説」(獣・文庫 1988, pp. 174–181)
  20. ^ a b c 小西 1968。『日本文学研究資料新集30 三島由紀夫 美とエロスの論理』(有精堂、1991年5月)に所収。村松 1990, pp. 333–336、事典 2000, p. 115
  21. ^ a b c 「III 死の栄光――『鏡子の家』から『英霊の聲』へ 〈父〉殺しと〈父〉の発見」(村松 1990, pp. 325–347)
  22. ^ 松田 1994事典 2000, p. 115





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