仮面の告白とは? わかりやすく解説

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かめんのこくはく【仮面の告白】

読み方:かめんのこくはく

三島由紀夫小説同性にしか性的な欲望を抱くことができない「私」自身半生を語る自伝的長編昭和24年1949刊行著者初期の代表作


仮面の告白

作者三島由紀夫

収載図書決定版 三島由紀夫全集 1 長編小説
出版社新潮社
刊行年月2000.11


仮面の告白(抄)

作者三島由紀夫

収載図書青春小説傑作選 14歳本棚初恋友情
出版社新潮社
刊行年月2007.4
シリーズ名新潮文庫


仮面の告白

作者碇卯人

収載図書相棒 season1
出版社朝日新聞社
刊行年月2008.1
シリーズ名朝日文庫


仮面の告白

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 07:13 UTC 版)

仮面の告白』(かめんのこくはく)は、三島由紀夫の2作目の長編小説。三島の初の書き下ろし小説である。大きな成功をおさめた代表作で自伝的作品でもある[1]。人と違う性的傾向に悩み、生い立ちからの自分を客観的に生体解剖していく「私」の告白の物語。自身の性的志向への自覚と、男女の愛への試みと挫折が、苦痛と悲哀に満ちた理知的かつ詩的な文体で描かれている。当時、同性愛というテーマを赤裸々に綴ったことは大きな話題を呼び、この作品により三島は一躍、24歳で著名作家となった[2]。日本文学史上でも、その異質性においても画期的な作品だとされている[3][4]


注釈

  1. ^ 第一回は椎名麟三の『永遠なる序章』、第二回は中村真一郎の『シオンの娘等』、第三回は望月義の『ダライノール』、第四回は谷本敏雄の『暗峡』であった[9]
  2. ^ 白書フランス語版』(Livre blanc)は、ジャン・コクトー匿名で刊行した性の告白本である[19]

出典

  1. ^ 「第三回 性の自己決定『仮面の告白』」(徹 2010, pp. 36–49)
  2. ^ a b 松本徹「仮面の告白」(事典 2000, pp. 68–73)
  3. ^ a b c 「戦後派ならぬ戦後派三島由紀夫」(本多・中 2005, pp. 97–141)
  4. ^ a b c d e f g h 「I 『仮面の告白』――三島文学の磁石」(田坂 1977, pp. 13–96)
  5. ^ 井上隆史「作品目録――昭和24年」(42巻 2005, pp. 391–393)
  6. ^ a b 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
  7. ^ a b c d 「あとがき――仮面の告白」(『三島由紀夫作品集1』新潮社、1953年7月)。28巻 2003, pp. 98–100に所収
  8. ^ 坂本一亀「『仮面の告白』のこと」(現代の眼 1965年4月号。文藝 1971年2月号に再掲載)。新読本 1990, pp. 42–46に所収
  9. ^ a b c d e 田中美代子「解題――仮面の告白」(1巻 2000, pp. 680–681)
  10. ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目――仮面の告白」(事典 2000, pp. 708–709)
  11. ^ a b c d e 「作者の言葉(「仮面の告白」)」(1949年1月13日執筆)。付録として、復刻版『仮面の告白』(河出書房新社、1996年6月)に全文掲載。27巻 2003, pp. 176–177に所収
  12. ^ 「第三章 問題性の高い作家」(佐藤 2006, pp. 73–109)
  13. ^ a b 坂本一亀宛ての書簡」(昭和23年11月2日付)。38巻 2004, pp. 507–508に所収
  14. ^ a b c d e f 「『仮面の告白』ノート」(『仮面の告白』月報 河出書房、1949年7月)。27巻 2003, pp. 190–191に所収
  15. ^ 山内 2001
  16. ^ a b 「川端康成宛ての書簡」(昭和23年11月2日付)。川端書簡 2000, pp. 59–61、38巻 2004, pp. 264–266に所収
  17. ^ a b 「年譜――昭和23年11月25日」(42巻 2005
  18. ^ 「II 自己改造をめざして――『仮面の告白』から『金閣寺』へ 『仮面』の創造」(村松 1990, pp. 123–149)
  19. ^ a b 井上隆史「新資料から推理する自決に至る精神の軌跡 今、三島を問い直す意味―『仮面の告白』再読―」(続・中条 2005, pp. 18–54)。「『仮面の告白』再読」として井上 2006, pp. 13–44に所収
  20. ^ a b c d 「第三章 意志的情熱」(猪瀬 1999, pp. 217–320)
  21. ^ a b c 式場隆三郎宛ての書簡」(昭和24年7月19日付)。38巻 2004, pp. 513–514に所収
  22. ^ a b 大岡昇平との対談「犬猿問答――自作の秘密を繞って」(文學界 1951年6月)。40巻 2004, pp. 62–81
  23. ^ a b c 井上隆史「同性愛」(事典 2000, pp. 533–534)
  24. ^ a b 「国語研究 作家訪問」(NHKラジオ、1964年5月29日)。『昭和の巨星 肉声の記録――大岡昇平・坂口安吾・三島由紀夫』(NHKサービスセンター、1996年)に収録
  25. ^ 「蜷川親善宛ての書簡」(1949年)。日録 1996, p. 120、猪瀬 1999, p. 262
  26. ^ a b 「扮装狂」(1944年10月の回覧学芸冊子『曼荼羅』創刊号に掲載予定だった随筆)。没後30 2000, pp. 68–73に掲載。26巻 2003, pp. 445–453に所収
  27. ^ 「わが思春期」(明星 1957年1月号-9月号)。遍歴 1995, pp. 7–89、29巻 2003, pp. 339–408に所収
  28. ^ 「第一部 土曜通信」(三谷 1999, pp. 11–133)
  29. ^ a b c d 「その仮面」(矢代 1985, pp. 99–114)
  30. ^ 瀬沼茂樹「油がのつた四人の作家」(日本読書新聞 1949年11月30日号)。佐藤 2006, p. 72に抜粋掲載
  31. ^ a b 神西清「仮面と告白と―三島由紀夫氏の近作」(人間 1949年10月号)。佐藤 2006, pp. 71–72、本多・中 2005, pp. 119–120に抜粋掲載
  32. ^ 北原武夫林房雄中野好夫「創作合評」(群像 1949年11月号)。佐藤 2006, p. 72、事典 2000, p. 70に抜粋掲載
  33. ^ a b c 花田清輝聖セバスチャンの顔」(文藝 1950年1月号に掲載)。『花田清輝全集 第4巻』(講談社、1977年)所収。群像18 & 1990-09, pp. 110–117、研究・長谷川 2020, pp. 67–76に所収
  34. ^ 無著名(図書新聞 1949年7月23日号)。論集II 2001, p. 211、武内 2007, p. 112に抜粋掲載
  35. ^ 荒正人「異常心理でない」(図書新聞 1949年7月23日号)。論集II 2001, p. 211、武内 2007, p. 112に抜粋掲載
  36. ^ 青野季吉「現代史としての文学」(中央公論 1950年1月号)。論集II 2001, pp. 211–212に抜粋掲載
  37. ^ a b c 「第三章 三島由紀夫と森有正 2 文学者の幼児性」(伊藤 2006, pp. 103–110)
  38. ^ a b c d e 杉本和弘「『仮面の告白』論――園子との物語をめぐって――」(論集II 2001, pp. 204–220)





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