犯人たちの出会い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 23:28 UTC 版)
「和歌山出会い系サイト強盗殺傷事件」の記事における「犯人たちの出会い」の解説
主犯は和歌山県打田町(現在の紀の川市)古和田の会社員・自称国際派モデルの女B(2002年当時24歳、現姓はC)で、実行犯は和歌山市岩橋の無職の男性A(当時32歳)である。 女Bは容姿端麗で明朗快活、高等学校在学中の18歳で結婚し、2人の子供がいた。しかし夫が浮気したことから離婚し、子供たちを連れて実家に戻った。Bは多額の借金の返済に追われていて、携帯電話の出会い系サイトで知り合った男性2人に対し、男の声色を使い山口組関係者を名乗るなどして電話をかけて脅迫し、「脅迫を止めさせるためには上部団体に金を払わなければならない」などと嘘をついてだまし、1人から多額の金銭を入手し、もう1人には借入がないのに借用書等を書かせてこれを取得するなどしていた。Bは子育てを母親任せにして自らは新たな男性を探すことに奔走する。 また、2001年3月、男性Aは、スナックの女性(Bではない)と知り合ってすぐに結婚し、女性の借金も肩代わりをして支払いをしていたが、結婚直後から女性の夜遊び等に悩まされ続け、別居状態となったことから、同年8月、協議離婚した。こうした経緯からAは、自分の悩みを相談することができ傷心をいやしてくれ、心から信頼し合える女性を求めて携帯電話の出会い系サイトを利用するようになった。 女Bと男性Aは2001年年8月ころ、出会い系サイトを通じて知り合い、メール交換をしているうちに意気投合したことから、同年9月末ころから直接会って交際し出し、間もなく親密な関係になった。しかし、しばらくしてBが、Aの独占欲の強いところが嫌になり、Aに別れ話を持ち出したが、Aは、Bに強い恋愛感情を抱いていたことから、これに応じようとはしなかった。 そこで、Bは、Aを別れる気にさせるため、同年10月ころ以降、Aに対し、Aの元妻になりすまし、「今いてる女と付き合ってたら,その女の命はないぞ。」といった脅迫メールを送ったり、自らは「元妻からおなかを蹴られたりしてAの子供を流産してしまった。」とか「私は腎臓が悪くて半年しか生きられない。」等と嘘をついたところ、Aはそれらを信じ込み、同年11月初めころ,元妻から逃げるつもりで会社を無断欠勤してBと京都に旅行したことなどから同月7日付けで退職に追い込まれる事態となった。 しかし、Aは、Bと別れる気になるどころか、ますますBを守ってやる必要を感じ、Bに対する思いを強くした。一方、Bは、Aに対する恋愛感情はすでに冷めていたが、日ごろから借金の返済資金や小遣い銭に窮していたことから、Aに別れる気がないのであれば、Aに嘘をついて金銭を貢がせようと考え、Aに対し、「実は、私は、山口組五代目組長Iの妾の娘である。」「Aの元妻は、ヤクザを使って嫌がらせをしている。系列が下の組のヤクザの嫌がらせをやめさせるためには、系列が上の組にAを登録しなければならない。登録料は10万だから用意して。」などと嘘をつき,実父の組への組員としての登録料という口実で金銭をだまし取り、以後、護衛料や組からの脱退料が必要だと次々に嘘をついては金銭を催促したところ、結婚まで約束していたBの話をすっかり信用したAは、Bを守るためにどうしても組に金銭を支払わなければならないと思い込み、Bに言われるまま、借入をしたり退職金もつぎ込むなどしてこれを払い続 けているうちに、手持ち金が底をつき、闇金に手を染め始め、これが原因で自動車販売会社から解雇され、窃盗などの犯罪にも手を染めていくようになった。
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