渡りと移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 20:46 UTC 版)
この地は大都市に近い位置にあるが、集まる個体数もその種類も多く、大群の生態が観察できることで有名であった。ダイサギ(亜種チュウダイサギ)、コサギ、チュウサギ、アマサギ、ゴイサギの5種が生育し、3月下旬ごろから9月末ごろまで、約3ヘクタールの繁殖地内に集まって繁殖していた。サギは関東一円を飛んで餌をとり、また、留鳥のコサギ以外は、フィリピンやボルネオ島、スマトラ島など南方との間を渡りにより往復していた。ゴイサギは一部が留鳥である。 ダイサギ(亜種チュウダイサギ)の渡来は3月末から4月上旬に始まり4月下旬が最も多く、コサギとゴイサギの飛来はダイサギが渡来してからおよそ1週間後に見られた。その後、チュウサギが4月半ば過ぎから下旬ごろに渡来し5月上旬が最も多かった。アマサギは最も遅く、4月下旬から5月上旬に始まり5月下旬ごろにかけて渡来した。 渡去の開始はダイサギ・チュウサギとも9月下旬ごろで、ダイサギは10月上旬には時に少数を残すのみとなり、ごくまれに越冬も観察された。アマサギの渡去は9月中旬ごろであった。 留鳥であるコサギも非繁殖期になると冬季のねぐらに移動した。1975年(昭和50年)には、新繁殖地であった三室のほか、三室から2.6キロメートル離れた浦和市大崎(現・さいたま市緑区大崎)、10.3キロメートル離れた越谷市大林、8.1キロメートル離れた川口市戸塚、9.0キロメートル離れた戸田市道満(どうまん)、11.3キロメートル離れた蓮田市黒浜の5か所にねぐらが認められた。
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