泥炭浮遊体の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 09:28 UTC 版)
浮遊する浮島の成立の要因として指摘されるのは、浮遊体を形成する泥炭層の存在、および泥炭層を浮遊させる水位の上昇の2点である。 上位泥炭層は、水平方向に伸びた太い植物根や倒木が骨組みとなって植物根や植物繊維を捕捉する構造となっているために浮遊状態を維持するのに適している。また、上位層と下位層では含有する植物遺体やその分解程度などの特性に相異が見られるため、両層は癒合しにくくなっている。 浮島周辺の沼沢地も、周囲の開発が進んで規模が狭められたことで水位の上昇がおこった可能性がある。『紀伊続風土記』には、樹木の生えた浮島があり、その上で飛び跳ねると音を立てて動いた旨の記述が見られるが、『紀伊続風土記』の編纂年代(文化3年〈1806年〉 - 天保10年〈1839年〉)と放射性炭素年代測定の結果が符合することから、江戸時代の前期末から中期との推定が傍証される。
※この「泥炭浮遊体の成立」の解説は、「浮島の森」の解説の一部です。
「泥炭浮遊体の成立」を含む「浮島の森」の記事については、「浮島の森」の概要を参照ください。
- 泥炭浮遊体の成立のページへのリンク