構造と問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 07:25 UTC 版)
メディア上にコントローラ部分を持たないため、非常に薄い構造になっている。 構造が単純なため、コスト面でも他規格に比べ有利だとされていた一方、コントローラを機器側に内蔵しているため、メディア側の電圧変更や大容量化などで互換性問題を生じることも多く、以下のような現象が生じユーザーの不評を買った。 動作電圧が2種類(5V・3.3V)あり、互換性がない。1997年に発売された2MBから動作電圧が5Vから3.3Vに変更されたが、その際従来の5Vの製品は速やかに市場から消えただけでなく、より大容量の製品も発売されなかった。 製品によっては、使用できる容量に制限がある。3.3Vタイプを採用した初期の製品では、2MB - 8MBまでの容量にしか対応できない。大容量の製品は認識されず、しかも大容量の製品が登場すると小容量のものは入手困難になった。 スマートメディア陣営では当初、「カードにコントローラを内蔵せず安価で汎用性の高いスマートメディアは、広く使われる『乾電池』のような存在となり、そうでない他の規格は『特殊電池』の地位にとどまるだろう」と豪語していた。特に盟主の東芝は2000年の東京国際ブックフェアなどで、スマートメディアを用いた電子出版事業を提唱しており、いかに量産低価格化に楽観的見通しを抱いていたかが窺える。しかし、実際にはライバルのコンパクトフラッシュの価格は量産効果によりスマートメディアと大差は無かった。 加えて、スマートメディアは上記のような互換性問題が常につきまとい、「機器とメディアが心中を余儀なくされる」という傾向が強かった。 結果として、互換性を保ちつつ順調に容量を伸ばしたコンパクトフラッシュやマルチメディアカードが「乾電池」の地位についたのに対して、スマートメディアは汎用性の低い「特殊電池」の地位に甘んじることとなり、当初の主張とは正反対の結果に終わった。 電気接点が広い面積で露出していることから外部の静電気等の影響を受けやすく、またユーザーが半導体メモリの扱いに慣れていない早い時期に登場したこともあって中身のデータを失う事故が多く、評判が悪かった。
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