財務会計の概念フレームワーク
概念フレームワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 04:02 UTC 版)
「財務会計基準審議会」の記事における「概念フレームワーク」の解説
FASBと国際会計基準審議会(IASB)は共通の概念フレームワークを開発するために、両輪となって作業を行った。目的適合的で、内的整合性があり、内面的に収斂されている基準の開発が、その目的である。現在の財務会計概念書(SFAC)第8号「財務報告のための概念フレームワーク」は合衆国で使われている。概念フレームワークには、(1)財務諸表作成において、経済的取引や経済事象、資金調達などを測定、記録するために用いられる測定属性(2)会計原則(3)認識や認識の中止、情報開示などの手引きとなる基本的前提、そしてそれらだけでなく(4)財務諸表における情報の区分・表示、が含まれている。 基本的な質的特性である目的適合性と表現の忠実性は意思決定有用性を支える。 財務諸表利用者が行う意思決定に変化を生じさせ得る情報は、目的適合的である。目的適合性の3つの構成要素は下記の通りである。 予測価値 - 財務諸表利用者の価値予測に役立つ情報 確認価値 – 事前に行った予測を確認、修正するためのフィードバックを与える情報 重要性 – 会計情報における省略事項や不実表示などの性質及び重要さ 表現の忠実性とは、ある測定値または記述と、それらが表現しようとする現象とが対応または一致することを言う。表現の忠実性の3つの構成要素は下記の通りである。 完全性 – ある経済現象を描写するにあたって、描写しようとしている現象を利用者が理解するために必要なすべての情報を含んでいること 中立性 – 財務情報の選択または表示に偏りがなく、財務情報が利用者に有利または不利に受け取られる確率を増大させるための、歪曲、ウェイト付け、強調、軽視、その他の操作が行われていないこと 誤謬の不存在 – 利用可能な最善のデータ入力が反映されたプロセスを用いて、可能な限り正確に情報が測定、記述されていること その他補強的な質的特性として、比較可能性、検証可能性、理解可能性、適時性が存在する。 現在はIASBとは異なる方向で概念フレームワークの改訂が進んでおり、FASBは測定・表示・開示に関するフレームワークを新たに作成している。
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