月の鼠

デジタル大辞泉

つき‐の‐ねずみ【月の^×鼠】

読み方：つきのねずみ

《象に追われた人が木の根を伝わって井戸に隠れたところ、井戸の周囲には4匹の毒蛇がいてかみつこうとし、また、木の根を黒と白2匹の鼠がかじろうとしていたという「賓頭盧(びんずる)説法経」にある説話で、象を無常、鼠を昼と夜、毒蛇を地・水・火・風の四大にたとえるところから》月日の過ぎゆくこと。月日の鼠。

世界宗教用語大事典

つきのねずみ 【月の鼠】

仏教説話。昼夜の無常をいったもの。『賓頭盧説法経』に、人が悪象に追われて木の根にぶらさがり井中に隠れたところ、四匹の毒蛇に迫られ、白と黒の二匹の鼠が根をかじったとある話。悪象を無常に、白黒の鼠を昼夜（月の流れ）に、四蛇を地・水・火・風に例えたもの。『太平記・二七』に「月の鼠の根をかぶる壁草の、いつまでか露の命のかかるべき」。

季語・季題辞典

月の鼠

読み方：ツキノネズミ（ｔｓｕｋｉｎｏｎｅｚｕｍｉ）

月にいると想像されたネズミ

季節 秋

分類 天文