曲構成・作曲内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 17:10 UTC 版)
「レクイエム (モーツァルト)」の記事における「曲構成・作曲内容」の解説
合唱部分は全て混声四部合唱で、四重唱はソプラノからバスまでの独唱者による。 この全14曲のうち、モーツァルトが完成させることができたのは第1曲だけであり、第2曲第3曲等はほぼ出来ていたものの、残りは作曲途中でモーツァルトは世を去り、未完状態で残される。 第2曲はフライシュテットラーとジュースマイヤーによってオーケストレーションが行われた。他に第3曲から第7曲、第9曲から第10曲の主要部分(四声の合唱部と主要な和声のスケッチ)と第8曲「涙の日(ラクリモーサ)」の8小節までがモーツァルトによって残され、それを基に弟子のジュースマイヤーが補筆完成を行っている。残りの第11曲以降についてはモーツァルトによる草稿は伝わっていないものの、フライシュテットラーやジュースマイヤーに対し何らかの指示がされた可能性はある。また、全曲の最後を飾る第14曲「聖体拝領唱」はモーツァルトの指示により(コンスタンツェの証言が残っている)第1曲「入祭唱」の一部および第2曲「キリエ」のフーガの歌詞を入れ替えたもので、これは当時のミサ曲の慣例でもあった。 第1曲「入祭唱」の冒頭で提示されるD-C#-D-E-F-G-F-E-Dという主題は「レクイエムの主題」と呼ばれ、形を変えながら作品全体(草稿の伝わらない、ジュースマイヤー作曲とされる曲も含めて)を通して現れる。これはマルティン・ルター作とされるコラール「わが死の時に臨みて」(Wenn mein Stündlein vorhanden ist)が元であり、モーツァルトの前にもヘンデルやミヒャエル・ハイドンが用いている。特にミヒャエル・ハイドンの「レクイエム」は、モーツァルトがこのレクイエムを作曲する上で大きく影響したと言われる。また、同じく「入祭唱」で提示されるF-E-G-Fという動機も各所に現れる。
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