文学と渡り鳥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 16:20 UTC 版)
俳句において、渡り鳥に関する季語がいくつかある。例えば、「鳥帰る」「引鳥(ひくとり)」などは春の季語、「鳥渡る」「色鳥」「小鳥来る」「燕帰る(つばかえる)」などは秋の季語である。また、「雁風呂」「雁供養」は夏の季語で、次のような「雁風呂」「雁供養」という伝説が青森県に伝わると言われていた。 月の夜、雁は木の枝を口に咥えて北国から渡ってきて、飛び疲れると波間に枝を浮かべ、その上に停まって羽根を休める。そうやって津軽の浜までたどり着くと、要らなくなった枝を浜辺に落とす。日本で冬を過ごした雁は早春の頃、浜の枝を拾って北国に戻って行く。雁が去ったあとの浜辺には、生きて帰れなかった雁の数だけ枝が残っている。浜の人たちは、その枝を集めて風呂を焚き、不運な雁たちの供養をしたという。 しかし、この話は1974年のテレビCMで広まったものであり、青森県内で伝承されたものではない。また、この話の初出は四時堂其諺『滑稽雑談』(1713年(正徳3年)成立)巻16で、他国の島での話として収められた話と判明した。
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