度重なる辛き日々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 07:22 UTC 版)
「ティンカー・ベル」の記事における「度重なる辛き日々」の解説
その日から子どもたちは、ティンカー・ベルの知らないところで赤ちゃんに対してイジメを行うようになっていた。叩いたり抓ったりして泣かすのはもちろんのこと、食事の時に赤ちゃんにミルクや食事を与えなかったり、寝ている揺り籠に虫やゴミなど入れたり、クマのぬいぐるみ「タディ」と一緒に射的の的にして当てたり、大木の枝にひっかけてつるしたままにして置き去りにしていた。挙句の果てにはトロッコや歩行器に乗せたまま投げ飛ばして大木や地面に叩きつけたり、沼や池に落とすなどしていた。 酷い時は、海で二隻の木造の船に乗り、沖まで出て競争や海賊ごっこなどが毎回行われ、船の船首の舳先にはチームごとに船首像の代わりになる人形を取り付けていた。一隻の船にはクマのぬいぐるみ「タディ」、もう一隻の船には人形ではなく、生後7日位の赤ちゃんが船首像代わりとして舳先(へさき)に取り付けられ、競争の時は子供たちはがむしゃらにオールを漕ぎ、沖にある岩島まで漕ぎまくっていた。赤ちゃんは舳先で大声で泣きわめき、よだれをたらしたり失禁してベビードレス、カバーオールを汚していた。それに気づいた子どもたちは「タディ」と赤ちゃんのロープを緩め、いったん沖まで漕いだ後、船尾側に向いて船を砂浜に向けて激しく漕いでいた。途中でロープが解け、「タディ」と赤ちゃんが海に落ちても振り向くことなく砂浜まで漕ぎ続けた。 そんな中、海の中で楽しく泳いでいる人魚が海上を見上げた時に、「タディ」と赤ちゃんが落下してきた。赤ちゃんは海中で溺れながらもがき苦しみ、近くにいた人魚が赤ちゃんに人工呼吸をして命を取り留めた。人魚は海上に上がり、クマのぬいぐるみ「タディ」と一緒に赤ちゃんを砂浜まで泳いで連れて行ったが、そこには誰ひとりいなかった。 生後7日位の赤ちゃんにとっては相当辛く、ごはんをたべさせてもらえないのはもちろん、打撲などのけがをさせられるうえにクマのぬいぐるみ「タディ」や白のベビードレス、カバーオール、ベビーボンネットまでも汚され、しだいイジメもエスカレートし、あまりの苦痛に大声で涙を流しながら泣きわめく日々が続いていた。
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