平衡移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 23:12 UTC 版)
N 2 + 3 H 2 ↽ − − ⇀ 2 NH 3 {\displaystyle {\ce {N2 + 3H2 <=> 2NH3}}} で表される反応が化学平衡に達しているとき、温度を上げると NH3 が分解する方向へ、圧力を上げると NH3 が生成する方向へ反応が進んで新たな化学平衡へ達する。 可逆反応が平衡にあるときに平衡を支配する条件は、温度、圧力、濃度であり、これらを変化させると一方への反応が進み新たな平衡状態に達する。このような、新たな平衡状態に変化することを、平衡移動または化学平衡の移動という。 平衡移動に関しアンリ・ルシャトリエは、実験を繰り返し次の結果を得た。 「可逆反応が平衡にあるとき、外部から平衡を支配する条件(温度、圧力、濃度の組み合わせ)を変化させると、その影響を緩和する方向へ平衡が移動し、新しい平衡状態となる」 これがルシャトリエの原理と呼ばれるものである。この原理は化学平衡だけでなく、気液平衡や溶解平衡など、化学変化を伴わない物理的な平衡にも当てはまる普遍的な法則である。 化学反応を利用してある物質を効率よく製造したい場合、反応速度を上げるだけでなく、平衡を求める反応に対して有利な方向に移動させることも重要な条件となる。
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