屋根・房
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 08:10 UTC 版)
土俵の上には、方屋があり明治に東屋作りから切妻で千木と堅魚木(千木・鰹木)を持つ神明造りに変えられた。屋根の四隅(東西南北、正しくは東北、東南、西南、西北)の柱は、本場所においては1952年(昭和27年)の秋場所より廃止されて吊屋根となり、代わって四隅に房が下げられる様になった。これは、正式には房では無く四本柱に巻きつけられていた同色の布の名残で、柱の代わりに太い房を吊るようになったものである。房の色は天空の四方位をそれぞれ司る四神に由来しており、青い(緑色の)房(青房)は東方を守護する青龍、白い房(白房)は西方を守護する白虎、赤い房(赤房)は南方を守護する朱雀、紫または黒の房(黒房)は北方を守護する玄武を表している(地域によって順序が異なっている事がある)。四隅の房は絹糸を寄り合わせて作られ、サイズは2.3メートル、太さが70センチメートル、重さ25キログラムである。屋根の裏には照明機材が備え付けられている。 両国国技館の吊屋根は、2本のワイヤーで上下させられる常設式のもので、相撲開催時以外は天井まで巻き上げられる。総重量は照明機材を含めて6.25トン。地方場所の会場(大阪府立体育会館・愛知県体育館・福岡国際センター)の吊屋根は軽量の組立式で、場所が終わると分解され、各都市の倉庫に収納される。 大相撲の土俵から四本柱を無くす際には、賛成派の意見として「土俵が見にくい」というものが、反対派の意見として「風格がなくなる」というものがあった。反対派の意見として理詰めなものとなれば「柱があることによって土俵内で動いている場所が分かるから、柱が動きを変えるめどになる」「突き飛ばされた時も、つかまって転落するのを防げるから危険防止になる」というものが見られた。 なお屋根の水引幕東西南北の中央に小さい房が下げられており、これが本来の房と言われるものである。
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