実務上の一人内閣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:38 UTC 版)
日本国憲法では、国の行政権を担う内閣は合議体であることが前提であるため、新たに内閣総理大臣となった者は速やかに各閣僚を任命し合議体を始動させることが求められる。しかし、首相任命後何日以内に組閣しなければならない等々の時間的制限は課されていない。同憲法下で成立した内閣のほとんどが組閣人事を早急に済ませ、宮中での首相の親任式と閣僚の認証官任命式が連続して行われるようにしているが、政治情勢その他の事情により組閣が順調に進まないことがあり、そのような場合はとりあえず親任式だけを行って内閣総理大臣に就任した後、自らに対して直ちに各省大臣の兼任又は臨時代理を発令し形式的に内閣を発足させ、数時間から数日かけて組閣を行う、という措置を執ることが必要となる。この首相が一人で内閣を構成している状態のことを指す俗称が「一人内閣」である。後述のように、実際に一人内閣状態となったことが過去4例ある。 なお、内閣法上の主任の大臣つまり各省大臣については必ず臨時代理を置く(あるいは兼任する)ことが求められるが、内閣法第10条で内閣総理大臣の各省大臣の臨時代理規定及び国家行政組織法第5条第3項で内閣総理大臣の各省大臣担当規定により措置した事例がある(羽田内閣)。 それ以外の大臣ポストについては事務代理・事務取扱を置くことは法的には必須でないため、当該過去の4例でも首相が自らに対して前者の兼任・臨時代理の発令を欠かしたことはないが、後者の兼任・事務取扱の発令については行われなかった例がある。
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