リリス
(夜の魔女 から転送)
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リリス (Lilith) は、ユダヤの伝承において男児を害すると信じられていた女性の悪霊である。リリトとも表記される。通俗語源説では「夜」を意味するヘブライ語のライラー(Lailah)と結びつけられる[1]が、古代バビロニアのリリートゥ(後述)が語源とも言われる。
注釈
- ^ 「夜の魔女」〔口語訳、新共同訳〕あるいは screech owl (鳴きたてるフクロウ[2])〔King James Version〕と翻訳されている
- ^ つねにイラクの人々を悩ませてきた夏の砂嵐と関係がある
- ^ 「風の女」。nin 「女性」と lil「風」より
- ^ 「彼女は『私は下に横たわりたくない』と言い、彼は『私はきみの下になりたくない、上位にしかいたくない。きみは下位にしかいてはならないが、私はきみより上位にいるべきだ』と言った」[10]。
- ^ ユダヤ人の伝統では、生後8日以内の男子と生後20日以内の女子はリリスに害されるおそれがあるとされ、妊婦と新生児を守る護符にはこの3人の天使の名が刻まれた[12]。
出典
- ^ デイヴィッド・ゴールドスタイン 『ユダヤの神話伝説』 秦剛平訳、青土社、1992年、60頁。
- ^ フレッド・ゲティングズ 『悪魔の事典』 大瀧啓裕訳、青土社、1992年、428頁。
- ^ J. B. ラッセル 『悪魔―古代から原始キリスト教まで』 野村美紀子訳、1984年、教文館、87頁。
- ^ a b エーリヒ・ビショフ 『カバラQ&A―ユダヤ神秘主義入門』 林睦子訳、三交社、1995年、88-90頁。
- ^ ゲティングズ 『悪魔の事典』 429頁。
- ^ 森瀬繚 『いちばん詳しい 「堕天使」がわかる事典』 SBクリエイティブ、2014年、71頁。
- ^ Ninlil. (2006). Encyclopædia Britannica. Retrieved February 10, 2006, from Encyclopædia Britannica Premium Service [1])
- ^ Judit M. Blair De-Demonising the Old Testament - An Investigation of Azazel, Lilith, Deber, Qeteb and Reshef in the Hebrew Bible. Forschungen zum Alten Testament 2 Reihe, Mohr Siebeck 2009 ISBN 3-16-150131-4
- ^ a b ゲルショム・ショーレム 『カバラとその象徴的表現』 小岸昭・阿部仁訳、法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、1985年、225-226頁。
- ^ この話は性行為の性交体位におけるアダムの支配的地位を拒否したものとも解釈され、フェミニストらに刺激を与えた(石堂藍・今松泰・吉田邦博 『図解雑学 世界の天使と悪魔』 藤巻一保監修、ナツメ社、2009年、196頁)
- ^ ジョルダーノ・ベルティ 『ヴィジュアル版 天国と地獄の百科』 竹山博英・桂本元彦訳、原書房、2001年、375頁。
- ^ ゴールドスタイン 『ユダヤの神話伝説』 62頁。
- ^ Drury, Nevill (2002). The Dictionary of the Esoteric. London: Watikins Publishing. p. 184
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