多重比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 20:00 UTC 版)
同種の検定を繰り返して全体での有意性の有無を判断する場合(多重比較)、1回の検定に対する有意水準をαとすると、k回の同様の試行に対して一度でも有意な結果を得る確率 α k {\displaystyle \alpha _{k}} はk回の試行の独立性に依存する。たとえば、k回の試行が独立であるときは、 α k = 1 − ( 1 − α ) k {\displaystyle \alpha _{k}=1-(1-\alpha )^{k}} となる。しかしながら、 α k {\displaystyle \alpha _{k}} の上限はkαであることから、1回の検定に対する有意水準をα/kと定めれば、k回の同様の試行に対して有意水準が高々αの検定を行うことができる。これをボンフェローニの方法という。ただし、この方法ではkの値が大きくなるにつれて有意水準が下がり、実用性に乏しくなる。そのため、より検定力の高い手法が提案されている。古くはLSD法が、ボンフェローニ法と共に計算が容易であるため好まれた。今日では、HSD法やRyan法が最も一般的である。また、シェッフェの方法やWSD法も見かけるようになっている。これらは、分散分析で3水準以上の要因の主効果が有意であった場合の下位検定にも用いられる。
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