多配置自己無撞着場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/31 03:46 UTC 版)
多配置自己無撞着場(たはいちじこむどうちゃくば、英語: Multi-configurational Self-consistent Field、略称: MCSCF)は、量子化学において、全電子波動関数の取り扱いがハートリー=フォック法や密度汎関数理論では不十分な場合(低励起状態で擬縮退している分子の基底状態や、結合が乖離している場合など)に、分子の質的に正しい参照状態を生成するための量子化学の手法である。MCSCFは、配置状態関数(CSF)またはスレーター行列式の線形結合を使用して、原子または分子の正確な電子波動関数を近似する。さらにMCSCFでは、CSFまたはスレーター行列式と分子軌道の基底関数の両方の係数を変化させて、可能な限り低いエネルギーの全電子波動関数を得る。この方法は、配置間相互作用法(分子軌道係数は変化させず、CSFまたはスレーター行列式の展開係数を最適化する)とハートリー=フォック法(スレーター行列式は1つだけだが、分子軌道係数を変化させる)を組み合わせたものと考えることができる。
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- ^ Cramer, Christopher J. (2002). Essentials of Computational Chemistry. Chichester: John Wiley & Sons, Ltd.. pp. 191–232. ISBN 0-471-48552-7
- 1 多配置自己無撞着場とは
- 2 多配置自己無撞着場の概要
- 3 概要
- 4 完全活性空間SCF法(CASSCF)
多配置自己無撞着場(MCSCF)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 05:23 UTC 版)
「電子相関」の記事における「多配置自己無撞着場(MCSCF)」の解説
複数の手法の組み合わせも可能である。例えば、静的相関を考慮するために多配置自己無撞着場法のためのいくつかのほぼ縮退した行列式を、動的相関のためにいくつかの打ち切りCI法を、小さな摂動(重要でない)行列式のためにいつかの摂動的アンザッツを持つことができる。これらの組み合わせの例には、CASPT2やSORCIがある。
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