嚢舌目 Sacoglossa
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 14:15 UTC 版)
「ウミウシ」の記事における「嚢舌目 Sacoglossa」の解説
嚢舌目には、貝殻は、完全なものから、全くないものまである。舌嚢という器官に収容された特殊化した歯舌で緑藻の細胞に孔を開け、内部の原形質を吸い取って食物としており、体内で分岐した中腸腺はしばしば鮮やかな緑色をしたものが体外からも透視できる。この目に属する動物には、摂取した餌に含まれる葉緑体を生きたまま中腸腺の細胞に取り込み、しばらく生かしたまま光合成を行わせて利用するものが含まれる。この現象は発見当初は、単細胞藻類との細胞内共生と思われたが、形態学的、分子生物学的手法により、食藻の葉緑体であることが確認されている。チドリミドリガイなど、この葉緑体の光合成に依存するものも知られる(⇒盗葉緑体現象)。イワヅタ属 Caulerpa の緑藻を宿主とするナギサノツユ上科(ユリヤガイ科、ナギサノツユ科 等)、その他の緑藻に宿主の範囲を広げたゴクラクミドリガイ上科(ゴクラク ミドリガイ科、チドリミドリガイ科 等)とカンランウミウシ上科(カンランウミウシ科、ハダカモウミウシ科 等)の3上科に大きく分けられ、ナギサノツユ上科以外の食性の多様化を起こした2上科に貝殻がなく、ウミウシに含まれる。 ユリヤガイ科 Juliidae - ユリヤガイ、タマノミドリガイ ナギサノツユ科 Oxynoidae - ナギサノツユ チドリミドリガイ科 Plakobranchidae - チドリミドリガイ ゴクラクミドリガイ科 Elysoidea - コノハミドリガイ、ゴクラクミドリガイ カンランウミウシ科 Caliphyllidae - カンランウミウシ ハダカモウミウシ科 Limapontiidae - アリモウミウシ、ミドリアマモウミウシ
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