合成・抽出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 00:23 UTC 版)
アインスタイニウムは専用の高束原子炉で軽いアクチノイドに対して中性子を照射することで微量生成される。世界の主要な照射源は米国テネシー州のオークリッジ国立研究所にある85メガワットの高中性子束同位体生産炉(HFIR)とロシア、ディミトロフグラードの原子炉科学技術研究所(Research Institute of Atomic Reactors, NIIAR)にあるSM-2ループ型原子炉であり、どちらもキュリウム以上(Z > 96)の元素の生産に特化したものである。これらの施設はパワーと束レベルが似ており、NIIARで生産される量は広く報告されていないがキュリウム以上の元素の生産能力は同等であると期待されている。オークリッジでの"typical processing campaign"では数十グラムのキュリウムが照射され、デシグラム量のカリホルニウム、ミリグラム量のバークリウム(249Bk)とアインスタイニウム、ピコグラム量のフェルミウムが生成される。 253Esの最初の微視的試料は約10ナノグラムで、1961年にHFIRで調製された。重量を推定するために特別な磁気天秤が設計された。その後、数キログラムのプルトニウムから始まり1967年から1970年には0.48ミリグラム(ほとんどが253Es)、1971年から1973年には3.2ミリグラムの大量のバッチが生産され、その後1974年から1978年まで安定して年間約3ミリグラムが生産された。ただしこれらの量は照射直後のターゲットの積分量を指す。その後の分離手順により同位体的に純粋なアインスタイニウムは約10分の1に減少した。
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