原種と学名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 01:28 UTC 版)
南米にはラクダ科リャマ族の4種、すなわち、2つの家畜種アルパカとリャマ、2つの野生種ビクーニャとグアナコが棲息する。しかし、それらの間の類縁関係には諸説ある。 伝統的に、アルパカもリャマも原種はグアナコであり、ビクーニャは家畜化されたことがないと考えられていた。アルパカの学名も、リャマ属の Lama pacos だった。ITIS(統合分類学情報システム)データベースもその学名を採っている。 しかし分子系統では、Kadwell et al. (2001)などにより、アルパカは混血が激しいもののビクーニャが原種とされた。この立場では、学名もビクーニャ属の Vicugna pacos となる。しかしのちの Capo et al. (2009)などでは、アルパカの原種はやはりグアナコだという結果になった。 ただし、アルパカとリャマの間には雑種が生まれやすいにも関わらず、中間型がいないため[疑問点 – ノート]、絶滅した野生種から生じたという説もある[要出典]。 なお、2000年代ごろからは、アルパカに限らず家畜全体の扱いとして、家畜は野生種と同種とする趨勢になってきている。その立場では、アルパカはグアナコまたはビクーニャと同種になるわけだが、その種の学名は、ジュニアシノニム(後に記載された学名)のため本来は無効となるグアナコの学名 Lama guanicoe またはビクーニャの学名 Vicugna vicugna が、ICZNの裁定(Opinion 2027)により有効名となる。ただし実際には、アルパカをグアナコと同種の Lama guanicoe とする資料は若干あるが、ビクーニャと同種の Vicugna vicugna とする資料は(この学名に関する議論以外では)ほとんどない。
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