制動の弱い炉の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/02 09:00 UTC 版)
電気炉の例で、温度の設定値が最大定格電力の50%で安定状態として維持できる温度となっていて、現在、温度がそこに向かって上がっているとする。温度がそれより低い状態では、最大定格電力の100%の電力が適用される。MV が SP と10度差の温度になったら、比例制御が働き始め、電力が低減される。つまり、SP を中心とした20度の範囲が比例帯(proportional band)となっていて、100% から 0% まで線形に変化する。設定値に到達すると50%の電力が適用されるが、加熱システムに蓄積された余熱があるため、炉内温度はさらに上がっていく。SP より10度高い温度になると、比例帯の上限に達し、加熱用電力は供給されなくなる。それでもさらに炉内温度はある程度上がっていくだろう。MV が比例帯に戻ってくると、加熱が再開されるが、今度は加熱システムが冷えすぎているため、再び上昇するまでしばらく温度が下がり続けるだろう。このようにして温度変化が振動するような曲線を描いて変化し続けることになる。
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