八敬法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/13 16:11 UTC 版)
八敬法(はっきょうほう、『パーリ律』に見えるaṭṭha garudhammaの訳)とは、釈迦が、最初の女性出家者であるマハーパジャーパティーの出家を許す際に条件とした、受持すべき8つの戒律のこと[1]。転じて、仏教において比丘尼(女性出家者)が比丘(男性出家者)に対して守るべき8つの戒律[2]。八重法(はちじゅうほう)とも訳されるが、その他に『四分律』では八不可過法・八尽形寿不可過法、『五分律』では八不可越法、『根本有部律雑事』では八尊敬法と記されている[3]。
注釈
- ^ 修行によって得られる悟りの4段階。預流果・一来果・不還果・阿羅漢果[6]。
- ^ マハーパジャーパティーを除く女性たちの出家の件は、文献によって微妙に異なる。森章司と本澤綱夫によれば、マハーパジャーパティーと共に八敬法で出家したとする史料、比丘によって具足戒を授けられ出家したとする史料、マハーパジャーパティーが和尚となって受戒したとする史料、まったく記されていない史料の4つに分けられる[8]。
- ^ しきしゃまな。比丘尼になる前の雛僧[9]。
- ^ ほうろう。出家してからの年数。教団内の序列はこれによって決まる[18]。
- ^ 平川によれば、全ての律蔵(『パーリ律』『四分律』『五分律』『根本説一切有部毘奈耶雑事』『十誦律』『摩訶僧祇律』)に八敬法が記されている[1]。
- ^ 布薩とは律の条文に照らして自身の清浄を確認し、また承認を得る集会のこと。月に2回行われる[23]。
出典
- ^ a b c d e 平川彰 1998, p. 55-58.
- ^ 石田瑞麿 1997, p. 878.
- ^ a b 平川彰 1998, p. 72-74.
- ^ a b c d 涂美珠 1996, p. 324-323.
- ^ 世灯(金仁淑) 1993, p. 72-74.
- ^ コトバンク: 四果.
- ^ 平川彰 1998, p. 392.
- ^ a b 森章司 & 本澤綱夫 2005, p. 45-59.
- ^ コトバンク: 式叉摩那.
- ^ ダシュ・ショバ・ラニ 2007, p. 1023-1022.
- ^ 植木 2018, pp. 73, 175.
- ^ a b 植木 2018, p. 179.
- ^ 植木 2018, pp. 69, 105–110.
- ^ 植木 2018, pp. 73–74.
- ^ 植木 2018, p. 111.
- ^ 植木 2018, p. 114.
- ^ 植木 2018, p. 100.
- ^ コトバンク: 法臘.
- ^ 丹羽宣子 2012, p. 503-504.
- ^ 平川彰 1998, p. 58-59.
- ^ 平川彰 1998, p. 59-61.
- ^ 平川彰 1998, p. 61-62.
- ^ 新纂浄土宗大辞典: 布薩.
- ^ a b 平川彰 1998, p. 62-64.
- ^ コトバンク: 自恣.
- ^ 平川彰 1998, p. 64-65.
- ^ 平川彰 1998, p. 65-66.
- ^ 平川彰 1998, p. 66-68.
- ^ 平川彰 1998, p. 68-69.
- ^ 平川彰 1998, p. 70-72.
- ^ 平川彰 1998, p. 81-82.
- ^ 平川彰 1998, p. 82-83.
- ^ 平川彰 1998, p. 83-85.
- ^ 平川彰 1998, p. 87-89.
- 1 八敬法とは
- 2 八敬法の概要
- 3 八敬法の成立と僧伽での受容
- 4 脚注
八敬法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:20 UTC 版)
八敬法または八重法(サンスクリット語で「グル・ダルマ」、「尊重の規則」「尊重の原則」「尊重すべき原則」と訳される)は、僧侶に適用される僧規(ヴィナヤ)以上にビクーニ(出家した尼僧)に求められる追加の戒律である。 八敬法は全ての律 (仏教)に存在している。『律蔵』によると、女性僧侶は男性僧侶にはない特別なルール、「八戒」を守ることが義務づけられている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}(1) 百年経っても出家した尼僧は、その日に出家した僧に敬意を表し、席を立ち、合掌して敬礼し、きちんと礼をしなければならない。 (2)尼僧は、僧侶のいない住居で雨(ヴァッサ、3ヶ月の雨季の隠れ家)を過ごしてはならない (3)半月ごとに、尼僧は僧侶の教団に二つのことを望むべきである。観察(ウポサタ)日の日付について尋ねることと、説教(ビクフノヴァダ)のために来ること。 (4) 雨の後、尼僧は3つの事柄、すなわち見たこと、聞いたこと、疑ったことに関して、両方の教団の前に自恣をしなければならない。 (5)尼僧は、重要な規則に違反し、両方の注文の前に半月のためのマーナッタの規律を受けなければならない。タニサロ・ビクフの訳は異なる。「(5) 尊敬の誓いを破ったビクニは、両方のサンガの下で半月の懺悔を受けなければならない。」 (6) 保護観察者として、2年間6つの規則(cha dhamma)の訓練を受けたとき、彼女は両方の教団からより高い聖職に就くことを求めるべきである。 (7) 僧侶は、尼僧からいかなる罵倒や誹謗中傷を受けてはならない。 (8) 今日から、尼僧による僧侶の戒めは禁止される。[『律蔵』V.354~355]。
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