像主の描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 03:44 UTC 版)
「徳川家康三方ヶ原戦役画像」の記事における「像主の描写」の解説
像主は、正面を向き、香炉台のような椅子に座り、左手を頬に当てて左脚を折り右脚の上に載せる半跏思惟のような姿勢をしている。服装は、烏帽子を被り、茶地の鎧直垂を着し、両手に弓懸をして左腕のみに籠手を着け、両足に脛当てを付けて裸足に藁草鞋を履き、腰に黒塗金覆輪 の太刀を佩き、鮫皮柄の朱塗合口を差した格好で描かれており、戦場往来の姿のようにみえる。 像主が顔を顰(しか)め憔悴したような表情に描かれていることから、『顰像』(しかみぞう)とも呼ばれている。 像主の顔貌について、原と藤本は、下唇を上前歯で噛んで口を「へ」の字に曲げた口元の描写を特異とし、原は、眼窩上部や頬骨が強調されて眼が窪み、頬がこけたように見えることから、像主の特徴を捉えて描いたというよりは、特殊な状況下での姿を描こうとしたように感じられ、本図が「敗戦後のやつれた姿」と解釈されたことには一定の説得力がある、としている。
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