保守論客として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 07:03 UTC 版)
デビュー後しばらくは「ファシストのパンク右翼」を自称し、『日本クーデター計画』を出版するなど世の良識を逆撫でする発言を繰り返した。ファシズムの思想史的意義を強調する一方で「失敗したファシズムが丁度良い」 などとも発言する。 文芸批評活動の出発点となった『日本の家郷』も、ポストモダニズムの影響が中川八洋らから指摘されている。左翼思想の変種とも揶揄されるポストモダニズムを、マルティン・ハイデッガーを介してファシズムに繋げたが、一時期「友人」を名乗っていた護憲派の大塚英志からは「実は左翼」などと評された。 2000年に出版した『作家の値うち』で、純文学と大衆文学の現役作家を五十人ずつ、全百人の主要作品を百点満点で採点し、多くの有名作家作品を「読んでいると恥ずかしい」レベルなどと評し、浅田彰や安原顕からは厳しく批判された。師匠の江藤が評価しなかった古井由吉や村上春樹を評価し、江藤が絶賛した中上健次の『千年の愉楽』を「インチキポルノ」と評するなど、江藤とは文学の評価にかなりのズレがある。柳美里『ゴールドラッシュ』、島田雅彦「無限カノン三部作」を厳しく批評し、二人の反撥を招いたが、対談で手打ちをしている。 中川八洋は、福田は保守のふりをしたポストモダニストで、内部から日本の伝統を破壊しようとしていると非難している。
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