企業内教育と経済合理性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 07:09 UTC 版)
企業側から見た長期雇用の利点は、長期的な展望に基づく企業内教育による人材育成への投資が行いやすいという点である。人材育成のための企業の教育投資は、企業からすれば短期的な利益に繋がらないコストであるために、労働市場の流動化は企業が社員に対する教育投資を減らすことに繋がる懸念がある。 また、教育訓練に対する従業員の意欲や、企業忠誠心を高く維持することができる。 仮に需要が低下し雇用が過剰になったとしても、それが一時的で、将来的に需要が回復するのならば、すでに費用を投じて教育訓練を施している従業員を雇い続けるのが合理的である。将来の教育訓練費用を節約できるからである。このような余剰労働力を労働保蔵(labor hoarding)とよぶ。 一方で、需要の低下した状態が長期に渡ると、労働保蔵は企業収支を圧迫し続ける。経済協力開発機構(OECD)の調査結果によれば、労働者の平均勤続年数が短い国ほど高い生産性の伸び率を示す傾向にある。
※この「企業内教育と経済合理性」の解説は、「終身雇用」の解説の一部です。
「企業内教育と経済合理性」を含む「終身雇用」の記事については、「終身雇用」の概要を参照ください。
- 企業内教育と経済合理性のページへのリンク