交配型との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/22 02:46 UTC 版)
この菌は自家不和合性であり、好適な株との間でなければ接合胞子嚢を形成できない。これはこの類ではよく見られることである。ただ、この類では雌雄の分化が見られないことが多く、この別を性別とは言わず、その代わりに適合するものを+と-で表す。もちろん同種でなければ交配は出来ないが、異種であっても配偶子嚢形成など、接合の途中までは形成が見られる例があるため、種を超えてこのような+と-の株の区別が指定できる。その場合、ヒゲカビが基準として使われる。このことは、この属にも適用できる。 ところが、面白いのはこのカビの場合、寄生対象とこの型が連携しているらしい点である。宿主がクモノスカビの場合、パラシテラの交配型がどちらであっても宿主としてどちらの方でも寄生が可能である。だが宿主がユミケカビ(A. glauca, A. caerulea)の場合、宿主が+であればパラシテラは-株、宿主が-株の場合には+株の場合だけ寄生が成立する。Burgeffはこの菌が宿主との間で作るゴールの形成過程が接合胞子嚢のそれに類似することなどから、この菌の寄生性が、他種との間で不完全な配偶子形成をしようとしたところに起源を持つと考えた。 また、この寄生を介してこの菌から宿主のユミケカビ Absidia glauca に遺伝子が流入しているらしいとの報告がある。
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