亜酸化鉱物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/24 02:23 UTC 版)
亜酸化物は通常の酸化物ができる反応過程の中間体である。亜酸化物はある種の金属がO2が十分にない環境に晒された場合に見られることがある。 22 Cs + 3 O2 → 2 Cs11O3 4 Cs11O3 + 5 O2 → 22 Cs2O セシウムやルビジウムのいくつかの亜酸化物はX線結晶構造解析により同定されている。1997年時点で存在が知られていたものとしては、Rb9O2、Rb6O、Cs11O3、Cs4O, Cs7O、Cs11O3Rb、Cs11O3Rb2、Cs11O3Rb3があった。 これらの亜酸化鉱物は一般に、非局在化電子の程度を示すように無色透明以外の色が付いた化合物である。Cs7OはCs10O3のクラスターと10個のCs原子からなるユニットの集合体となっている。クラスターは3つの面を共有する八面体で構成されていることが確認できる。下図において、セシウム原子は紫で、酸素原子は赤で示した。クラスタ内のCs-Cs間距離は376 pmであり、これは通常の金属としてのセシウムに見られるCs-Cs間距離576 pmよりも小さい。Rb9O2とRb6Oは両方共Rb9O2クラスターを含んでいる。このクラスターは2つの面を共有する八面体で構成されていることが確認できる。Rb6Oは (Rb9O2)Rb3の形で定式化できる。クラスター内におけるRb-Rb間の距離は352 pmであり、これは通常金属のルビジウムに見られるRb-Rb間の距離485 pmよりも短い。亜酸化セシウムはAg-O-Cs (S1) とNa-K-Sb-Csのマルチアルカリ光電陰極(英語版)において役割を担っているのではないかという説がある。 Rb9O2の構造 Cs11O3の構造
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