井上井月とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 作家 > 歌人 > 歌人 > 井上井月の意味・解説 

井上井月

井上井月の俳句

よみ懸けし戦国策や稲光
乙鳥や小路名の多き京の町
今日ばかり花も時雨よ西行忌
何処やらに鶴の声聞く霞かな
初時雨からおもひ立首途かな
初空を鳴きひろげたる鴉かな
名月や院へ召さるる白拍子
塗り下駄に妹が素足や今朝の秋
寄せて来る女波男波や時鳥
富士にたつ霞程よき裾野かな
寝て起て又のむ酒や花心
山笑ふ日や放れ家の小酒盛
岩が根に湧く音かろき清水かな
手元から日の暮れゆくや凧
旭は浪を離れぎはなり鷹の声
明日知らぬ小春日和や翁の忌
春雨や心のままのひじ枕
春風に待つ間程なき白帆哉
春風や碁盤の上の置き手紙
時雨るや馬に宿貸す下隣
松の雪暖かさうに積りけり
梅が香や流行出したる白博多
水際や青田に風の見えて行く
涼しさの真ただ中や浮見堂
淡雪や橋の袂の瀬田の茶屋
玉苗や乙女が脛の美しき
用のなき雪のただ降る余寒かな
目出度さも人任せなり旅の春
秋風や身方が原の大根畑
舟を呼ぶこゑは流れて揚雲雀
芋掘りに雇はれにけり十三夜
遅き日や碁盤の上の置手紙
酒さめて千鳥のまこときく夜かな
風涼し机の上の湖月抄
飛ぶ星に眼のかよひけり天の川
駒ヶ根に日和定めて稲の花
鷹匠の涕すすり込旭かな
 

井上井月

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 05:25 UTC 版)

井上 井月(いのうえ せいげつ、文政5年(1822年)?[1] - 明治20年2月16日1887年3月10日[1][注釈 1]は、日本の19世紀中期から末期の俳人。本名は一説に井上克三(いのうえかつぞう)。別号に柳の家井月など[1]。「北越漁人」と号した[3]信州伊那谷を中心に活動し、放浪と漂泊を主題とした俳句を詠み続けた。その作品は、後世の芥川龍之介種田山頭火をはじめ、つげ義春などに影響を与えた。


注釈

  1. ^ a b 高津才次郎による、高遠市河南の龍勝寺の過去帳調査から。この過去帳が旧暦で記されているため、あえて旧暦表示で記す。新暦は逆算されたもの[2]
  2. ^ 例えば、「万歳や人が笑ひばしたり顔」の「ひ」など。本来ならば「笑へば」[4]
  3. ^ どちらの句も「さかばやし」は本来は漢字1字。穴(あなかんむり)の下に巾。
  4. ^ 「あなた任せ」の「あなた」とは、阿弥陀如来と解されている。従って、一茶のこの句は、浄土真宗的な他力本願を主題としている。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 復本一郎編『井月句集』岩波文庫、2012年12月、323-378頁。 
  2. ^ 『井月全集』参照。[要文献特定詳細情報]
  3. ^ 田島清 著 信州人物誌刊行会 編 『信州人物誌』 信州人物誌刊行会、1969年8月。
  4. ^ 宮脇 1987, pp. 14–15.
  5. ^ 宮脇 1987, p. 26.
  6. ^ 『井月全集』における下島勲の述懐による。[要ページ番号]
  7. ^ 宮脇 1987, p. 33.
  8. ^ 宮脇 1987, p. 45.
  9. ^ 宮脇 1987, p. 177.
  10. ^ 宮脇昌三「芭蕉・一茶と井月」、『井月の俳境』所収。[要ページ番号]
  11. ^ 宮脇 1987, pp. 7–8.
  12. ^ 宮脇 1987, p. 11.
  13. ^ 中井三好『漂泊の俳人 井上井月記』他参照。[要文献特定詳細情報]
  14. ^ a b c d e つげ 1998, pp. 353–390.
  15. ^ つげ 1998, p. 398.
  16. ^ a b “みちのものがたり 伊那路(長野県)「無能の人」に登場した俳人 姿は乞食、書はお公家さん”. 朝日新聞 be on Saturday: p. 6. (2016年11月19日) 


「井上井月」の続きの解説一覧



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「井上井月」の関連用語

井上井月のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



井上井月のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
現代俳句協会現代俳句協会
Copyright(C) 現代俳句協会
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの井上井月 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS