阿波野青畝とは? わかりやすく解説

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あわの‐せいほ〔あはの‐〕【阿波野青畝】

読み方:あわのせいほ

[1899〜1992俳人奈良生まれ本名、敏雄。「ホトトギス」で活躍し俳誌かつらぎ」を創刊市井の生活を題材に、自在な句境示した句集万両」「春の鳶」など。


阿波野青畝


阿波野青畝

阿波野青畝の俳句

あをぞらに外套つるし古着市
いそがしや木の芽草の芽天が下
うつくしき蘆火一つや暮の原
かがやける臀をぬぐへり海女の夏
かげぼふしこもりゐるなりうすら繭
かりそめに住みなす飾かかりけり
けふの月長いすすきを活けにけり
こんな蚊が名恵上人を螫しにけむ
さみだれのあまだればかり浮御堂
しらべよき歌を妬むや実朝忌
しろしろと畠の中の梅一本
なつかしの濁世の雨や涅槃像
にぎはしき雪解雫の伽藍かな
はたた神夜半の大山現れたまふ
ひとの陰玉とぞしづむ初湯かな
ふるさとや障子にしみて繭の尿
ほのぼのと渚は近江初月夜
まつさをな微塵とびたち芝刈器
みのむしの此奴は萩の花衣
むつ五郎むつ十郎の泥試合
ゆけむりの如くに蕎麦を掻きにけり
わがゆめにありしがごとき山火とも
をかしさよ銃創吹けば鴨の陰
ガラス越し雨がとびつく無月かな
ビニールの姐様かむり牡丹の芽
モジリアニの女の顔の案山子かな
ルノアルの女に毛糸編ませたし
一の字に遠目に涅槃したまへる
一軒家より色が出て春着の児
乱心のごとき真昼の蝶を見よ
住吉にすみなす空は花火かな
凍鶴が羽根ひろげたるめでたさよ
出刃を呑むぞと鮟鱇は笑ひけり
初富士を隠さふべしや深庇
初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり
十六夜のきのふともなく照らしけり
南都いまなむかんなむかん余寒なり
口開いて矢大臣よし初詣
古里にふたりそろひて生身魂
国原や桑のしもとに春の月
土不踏なければ雛倒れけり
夕づつの光りぬ呆きぬ虎落笛
大空に長き能登ありお花畑
大阪の煙おそろし和布売
天寿とは昼寝の覚めぬ御姿
太き尻ざぶんと鴨の降りにけり
奈良坂の葛狂ほしき野分かな
威銃大津皇子は天にあり
寒波急日本は細くなりしまま
小説を脱け出して哭く雪女
 

阿波野青畝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/31 07:54 UTC 版)

阿波野青畝(あわの せいほ、1899年明治32年)2月10日 - 1992年平成4年)12月22日)は奈良県出身の日本俳人。本名は敏雄[1]。旧姓・橋本。原田浜人、高浜虚子に師事。昭和初期に山口誓子高野素十水原秋桜子ととも「ホトトギスの四S」と称された。「かつらぎ」主宰。


  1. ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 67頁。
  2. ^ 『阿波野青畝』 11-12頁。
  3. ^ a b c 『図説 俳句』116頁。
  4. ^ 『阿波野青畝』 12頁。
  5. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)19頁
  6. ^ 『現代俳句ハンドブック』 12頁。
  7. ^ 『定本現代俳句』203頁。
  8. ^ 『定本現代俳句』206頁。


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