高野素十とは? わかりやすく解説

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たかの‐すじゅう〔‐スジフ〕【高野素十】

読み方:たかのすじゅう

1893〜1976]俳人茨城生まれ本名、与巳(よしみ)。高浜虚子師事し、「ホトトギス」で活躍句集初鴉」「雪片」など。


高野素十

高野素十の俳句

ある寺の障子ほそめに花御堂
あをあをと春七草の売れのこり
かたまりて通る霧あり霧の中
くもの糸一すぢよぎる百合の前
くらがりに供養の菊を売りにけり
づかづかと来て踊子にささやける
ばらばらに飛んで向ふへ初鴉
ひざまづき蓬の中に摘みにけり
ひつぱれる糸まつすぐや甲虫
ひるがへる葉に沈みたる牡丹かな
ふるさとの喜雨の山王村役場
また一人遠くの芦を刈りはじむ
まつすぐの道に出でけり秋の暮
ジプシーに占はせをり窓の春
七種のはじめの芹ぞめでたけれ
三日月の沈む弥彦の裏は海
人仰ぐ我家の椿仰ぎけり
代馬の泥の鞭あと一二本
元日は大吹雪とや潔し
冬波の百千万の皆起伏
夕ぐれの葛飾道の落穂かな
夕月に甚だ長し御者の鞭
夜の色に沈みゆくなり大牡丹
大いなる蒲の穂わたの通るなり
大梅雨の茫茫と沼らしきもの
大榾をかへせば裏は一面火
夫唱婦随婦唱夫随や冬籠
女あり父は魚津の鰤の漁夫
小をんなの髪に大きな春の雪
探梅や枝のさきなる梅の花
揚羽蝶おいらん草にぶら下がる
摘草の人また立ちて歩きけり
方丈の大庇より春の蝶
早乙女の夕べの水にちらばりて
早乙女や手甲をかくる手を伸べて
早苗饗の御あかしあぐる素つ裸
早苗饗や髪撫でつけし日焼妻
明日はまた明日の日程夕蛙
春の月ありしところに梅雨の月
春の雪波の如くに塀をこゆ
春塵や観世音寺の観世音
月の王みまかりしより国亡ぶ
朝顔の双葉のどこか濡れゐたる
柊の花一本の香りかな
桃青し赤きところの少しあり
歩み来し人麦踏をはじめけり
水の上に花ひろびろと一枝かな
水尾ひいて離るる一つ浮寝鳥
流れきて次の屯へ蝌蚪一つ
漂へる手袋のある運河かな
 

高野素十

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/14 09:44 UTC 版)

高野 素十(たかの すじゅう、1893年(明治26年)3月3日 - 1976年(昭和51年)10月4日)は、茨城県出身の日本俳人医師。学位は、医学博士高浜虚子に師事。虚子の唱えた「客観写生」を忠実に実践、簡潔で即物的な写生句で頭角を現し、山口誓子阿波野青畝水原秋桜子とともに「ホトトギスの四S」と称された。「芹」主宰。本名:高野与巳(よしみ)。


  1. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)182頁
  2. ^ 『図説俳句』112頁。
  3. ^ a b 『現代俳句大事典』322-323頁。
  4. ^ 四ツ谷龍「高野素十」 2015年3月8日閲覧。
  5. ^ 『図説俳句』110頁。
  6. ^ 『現代俳句ハンドブック』 186頁。
  7. ^ 『定本現代俳句』 211頁。
  8. ^ 『定本現代俳句』 213頁。
  9. ^ 『定本現代俳句』 212-213頁。
  10. ^ 『定本現代俳句』 218頁。


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