よてい‐かかく【予定価格】
予定価格(よていかかく)
工事などを発注する側の国の機関や地方自治体は、競争入札において、あらかじめ予想される落札価格に上限を設定しておき、その範囲内で落札者を決めている。
予定価格とは、工事の内容や技術的程度に応じて決まる発注側の言わば「見積金額」のこと。なるべく低い費用で工事などを発注したいと考える国の機関や地方自治体は、予定価格を下回る入札をした業者の中から、最も低い金額を提示した業者に落札させる。
逆に、なるべく高い金額で工事などを受注したい業者にとって、予定価格ちょうどの金額で落札することが大きな利益につながる。そのため、あの手この手を使って、予定価格を探り出そうとするわけだ。
通常、予定価格の8割程度の価格で落札するのが相場だと言われている。限りなく予定価格に近い金額で落札を繰り返している業者があると、予定価格が何らかの形で漏れていた可能性が強まる。
最近では、入札の透明性を高める目的で、一定の基準に沿って予定価格を事前に公表する地方自治体が増えている。
(2002.07.12更新)
予定価格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 10:01 UTC 版)
予定価格(よていかかく)とは、国や地方公共団体が契約を締結する際に、契約担当官等が、競争入札や随意契約に付する事項の価格について、その契約金額を決定する基準として、あらかじめ作成しなければならない(予算決算及び会計令第七十九条、第九十九条の五)見込価格をいう。
- ^ 財務省通達『随意契約による場合の予定価格等について』(昭和44年12月17日付蔵計第4438号)
- ^ 意外と知らない予定価格と予定価格調書の違い、予定価格は省略不可
- ^ a b 財務省主計局法規課 (2018年10月29日). “会計制度研究会(第2回)予定価格の上限拘束性について”. 2022年9月5日閲覧。
- ^ 例えばフランスにおいては「予定価格に上限拘束性があると、調達職員による調達の内容や質についての検討が十分になされなくなる」として、調達の質の向上・職員の資質向上・人材育成のため、2001年に予定価格の上限拘束性の原則が廃止された。
- ^ prescription 建設経済の動向 2016.06.27 自治体の「歩切り撤廃」の進捗|歩切り全廃へ、「端数処理」が今後の焦点に 日経コンストラクション編集長 野中賢、月刊『しんこう』
- ^ 「歩切り」の廃止による予定価格の適正な設定について - 国土交通省
- ^ 例えば、草津市の場合[1]
- ^ a b 設計要領(共通編)
- ^ 第10回全国情報公開度ランキング(PDF)
- ^ http://www.wise-pds.jp/news/news2009012703.htm 2009/1/27「予定価格事前公表、くじ引き発生率4倍/自治体の一般競争で顕著/国交省調べ」ワイズ情報公共データシステム
- ^ 公共工事の入札及び契約の適正化の推進について(PDF)
- ^ “小池知事主導の入札制度、見直しへ 工事手続きに滞り”. 朝日新聞 (2017年11月18日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ 東京都議会 (1 March 2018). 信頼されるリーダーとなるため顧問偏重・職員軽視を改めよ 都政運営 質問1,7~10、答弁1,7~10 (発言者:秋田 一郎(自民党)、答弁者:東京都知事小池百合子(都民ファーストの会) (Report). 2023年7月14日閲覧。
- ^ 東京都議会 (1 March 2018). より実効性ある東京大改革を推進する体制を構築すべき 都政運営 質問6,7、答弁6,7 (発言者:増子 ひろき(都民ファーストの会)、答弁者:東京都財務局長武市敬) (Report). 2023年7月14日閲覧。
- ^ 東京都議会本会議. 平成30年第1回定例会. 1 March 2018. 2023年7月14日閲覧。
- ^ しんぶん赤旗 2001年10月6日付「落札価格が入札予定価格に近いと問題?」
- ^ 土木学会公式サイト内「公共事業の契約を価格だけで決めて良いのか」
- ^ 阿部賢一「公共工事の諸問題 予定価格の原点から考える」その4・「予定価格」の在り方について
- ^ 鈴木, 良祐; 武藤, 博己 (2021-03-24). 入札改革へのアプローチ 予定価格論: 政府調達における予定価格算定業務の発展的向上に関する研究 (第1版 ed.). 太郎丸出版
- ^ 鈴木, 良祐; 武藤, 博己. 高校生からの公共 適正価格: 公平・公正な契約の実現に向けて 予定価格論
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