レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 03:36 UTC 版)
レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観(レーティッシュてつどうアルブラせん・ベルニナせんとしゅうへんのけいかん)は、スイスとイタリアが共有する「国境を越える世界遺産」のひとつである。スイスのグラウビュンデン州からイタリアのロンバルディア州ソンドリオ県にかけてを走るレーティッシュ鉄道のアルブラ線とベルニナ線は、登山鉄道で広く見られるラック式を採用していない粘着式鉄道としてはヨーロッパ最高地点を通る鉄道であり、20世紀初頭における技術的到達の優れた例証などとして、2008年にUNESCOの世界遺産リストに加えられた。登録面積約152 ha[注釈 1]のうち、イタリア領内は3 haである[1]。
注釈
- ^ この記事のテンプレート内の152haという数値は世界遺産センターの概要ページ(2013年10月31日閲覧)に記載されているものだが、ICOMOSの勧告書では面積152.4haとなっていた。
- ^ 長くスイス最大の私鉄であったが、2006年のBLS AG発足後は同鉄道がスイス最大の私鉄となっている
- ^ ICOMOS (2008) p.208 では61kmとなっているが、小林 (2009) p.125 では60.7kmとなっている。
- ^ レーティシュ / レーティッシュの区別などは出典のまま。なお、登録経緯からすれば「文化的景観」という意訳はそぐわないものではあるが、それらもすべて出典のまま示す。
- ^ 「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区」(1987年登録)が、2002年にアンドラーシ通りを加える形で拡大登録され、「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り」と名を変えた。ブダペスト地下鉄1号線はアンドラーシ通りの地下を走っており、拡大登録理由のひとつとなった。櫻井 (2013) のようにこれを鉄道の世界遺産に含めている文献がある一方で、これを含めずにレーティッシュ鉄道をゼメリング鉄道、インドの山岳鉄道群に続く3例目の鉄道の世界遺産としている文献も複数ある(西村・西川 (2009) p.20、地球の歩き方編集室 (2009) p.40、小林 (2009) p.125)。世界遺産登録名に「鉄道」(Railway / Chemin de fer) と明記されている物件という意味では、確かにこれが3例目である。
出典
- ^ a b c d e ICOMOS (2008) p.213
- ^ a b c d ICOMOS (2008) p.207
- ^ a b c d 長 (2010) p.222
- ^ a b 小林 (2009) p.127
- ^ a b c d ICOMOS (2008) p.208
- ^ a b 世界遺産アカデミー監修 (2012) 『すべてがわかる世界遺産大事典・下』マイナビ、p.186
- ^ 小林 (2009) pp.125-126
- ^ 櫻井 (2013) p.36
- ^ a b 小林 (2009) p.126
- ^ ICOMOS (2008) p.214
- ^ a b c 西村・西川 (2009) p.20
- ^ ICOMOS (2008) p.276 (français)
- ^ ICOMOS (2008) p.215
- ^ ICOMOS (2008) p.216
- ^ 日本ユネスコ協会連盟監修 (2009) 『世界遺産年報2009』日経ナショナルジオグラフィック社、p.4
- ^ 正井泰夫監修 (2009) 『今がわかる時代がわかる世界地図・2009年版』成美堂出版、pp.152, 155
- ^ 古田陽久 古田真美 監修 (2011) 『世界遺産事典 - 2012改訂版』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.85
- ^ 谷治正孝監修 (2013) 『なるほど知図帳・世界2013』昭文社、p.151
- ^ のちにスイスの世界遺産だったサン・ジョルジョ山がイタリア領内にも拡大登録された(2010年)。また、2011年登録のアルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群は両国を含む6か国で共有する世界遺産である。
- ^ 櫻井 (2013) p.34
- ^ a b 32COM 8B.38 : Examination of nomination of natural, mixed and cultural proprerties to the World Heritage List - Rhaetian Railway in the Albula/Bernina Landscapes (SWITZERLAND / ITALY)(2013年10月31日閲覧)より翻訳の上で引用。
- 1 レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観とは
- 2 レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観の概要
- 3 登録範囲
- 4 登録基準
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