ヒトにおける血縁選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 16:16 UTC 版)
ヒトの研究からも、血縁選択説によって説明できる行動が見つかっている。ヤノマモ族で集団間の争いが起こると、味方のなかでも血縁度の高い者をよく助ける傾向がある。オセアニアの人々はしばしば養子を育てることがあり、これは自然選択によって説明できないとされたこともあるが、詳細に調べると養子のほとんどは養父母の血縁者(甥や姪など)であった。 カナダでは、継子が血縁のない義理の親と同居している場合、子殺しの起こる頻度が数十倍になることが明らかになっている。もっとも、子殺しが現代社会において包括適応度を高めているとは考えにくい。ヒトの進化の過程で自分の子を識別し、血縁のない相手よりも愛情や養育行動を向けやすい性質を持つようになったのが、現代社会において子殺しという結果に繋がったと解釈すべきである。また、このような研究は子殺しを正当化するものでもないことに注意が必要である。
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