ニューモシスチス肺炎の診断
【疑うこと】 ST合剤による予防が行われていないHIV感染者で、典型的な症状があり、胸写で間質性肺炎、検査でCD4細胞数が200/μL未満、低酸素血症、LDH上昇、KL-6高値、β-D-Glucan高値があればニューモシスチス肺炎を強く疑う。患者の状態が危険な場合は治療を優先することもある。
【確定診断】 通常の細菌検査では培養できない。痰か肺生検でニューモシスチス・イロベチを確認すること。ディフクィック染色、グロコット染色。肺胞洗浄液あるいは誘発採痰法で得た液をPCR法で検査するのが早い。
【臨床的診断】 ニューモシスチスを見つけられなくても、次の1)~4)すべてが該当すればニューモシスチス肺炎と診断してもよい。1) 最近3か月以内に a)運動時の呼吸困難、または、b)乾性咳嗽。2) a)胸部X線でび慢性の両側間質像増強、または、b)ガリウムスキャンでび慢性の両側の肺病変。3) a)動脈血ガス分析で酸素分圧が70mmHg以下、または、b)呼吸拡散能が80%以下に低下、または、c)肺胞-動脈血の酸素分圧較差の増大。4) 細菌性肺炎を認めない。
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