トロツキー暗殺関与疑惑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 11:26 UTC 版)
佐野碩のメキシコ入りにはスターリンの刺客によるトロツキー暗殺が関係しているのではないかという説がある。噂の源泉は複数あるが、その1つとして、当時、アメリカ共産党員としてアメリカ滞在中の佐野を世話した石垣綾子が、佐野のメキシコ入国に、トロツキー暗殺未遂事件を起こした画家シケイロスが尽力したと回想していることがある。政治評論家の藤原肇は、佐野がシケイロスと交流があったという伝聞を根拠として、シケイロスと組んでトロツキー暗殺に関連したスターリニストだったではないかとの考察を述べている(ただし、藤原は、当時のメキシコにおける政治事情に通じているわけではない)。こうした見方に対して、菅孝行は(岡村春彦 2009) の「解説」の中で、佐野のスターリンスパイ説を否定するだけの明確な証拠があるという田中道子(メキシコ大学院大学教授)や加藤哲郎の証言(加藤哲郎2013)を紹介していたが、その田中本人が来日して「佐野がトロツキイ襲撃に関係していたとも、いなかったとも言い切ることができない」という立場であると明言したため、菅も「『うん、大丈夫そうだ、これはトロツキイ殺害には直接関わってはいないようだ』という線で解説をまとめたのですが、『ちょっと危ない』というのが今日のお話で」という立場に後退している。佐野の妻だったこともあるウォルディーンは、佐野のメキシコ入国事情に関する吉川恵美子の質問に回答を拒否している。
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