デジタルMTR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 17:31 UTC 版)
「BGM (YMOのアルバム)」の記事における「デジタルMTR」の解説
レコーディングには当時開発されたばかりで日本に2台(アルファレコード Studio"A"と音響ハウススタジオに各1台)しかなかった3MのデジタルマルチトラックレコーダーDMSが使用された。しかし、あまりにもクリアな音に細野が納得せず、一旦リズムパートをティアックのアナログMTR(TASCAM 80-8)に録音し、それをデジタルMTRにコピーするという特殊な録音方法が取られている。これは民生用MTRの狭いダイナミックレンジにより音量のピークで音色が変わるとともに全体の音圧が上がる、のちに“テープコンプレッション”と名づけられる手法であるが、それを意識的に取り入れた最初期のレコーディングとされている。 しかし坂本は、「当時の自分は、立派なアルファレコードのスタジオで、まるで貧乏アーティストがやるような方法には気乗りしなかった」と回想している。 当時のデジタルMTRではアナログオープンリールテープの様なテープにハサミを入れて編集(手切り編集)することが出来ず、しかも記録・再生時共にエラーがしばしば発生するため、信頼性に乏しく当時のエンジニアに不評であった。 DMSの録音方式は3M独自のもので汎用性がなく、マスターテープも他社の機器では再生できない。現在国内には使用可能機器が存在せず、かりに海外に稼働する個体があったとしても使用料が莫大な額になるため、現状ではオリジナルマルチトラックマスターテープを再生することは事実上不可能となっている。
※この「デジタルMTR」の解説は、「BGM (YMOのアルバム)」の解説の一部です。
「デジタルMTR」を含む「BGM (YMOのアルバム)」の記事については、「BGM (YMOのアルバム)」の概要を参照ください。
- デジタルMTRのページへのリンク